
持続可能な土壌資源管理を通して世界を開拓する
かつてレオナルド・ダ・ビンチは、『我々は天体の動きを足元の土よりもよく知っている』といいました。あれから500年以上の年月がたった今、我々人類は土のことをどれだけ深く理解できたのでしょうか?
生態系において土が果たす役割は、土地の形成を助けるだけでなく、植物が育ち、酸素や水、養分を供給・保持する役割があります。人類が始めて行った生産活動は、この土壌圏でおきている物質循環の“おこぼれ”を利用するものでしたが、現在、この生産活動は、近代農業という形で発展し、地球全体の物質循環の在り方を変えるまでに発達しました。このような技術発展の結果、“土壌”という一見すると無限にみえる資源は、現在大きな劣化の危機にさらされています(FAO,2015)。これは、“土壌という資源をうまく利用・管理できていない”からに他ならず、残念ながら我々は、まだ土のことをよく知らない、といえるでしょう。
当研究室では、土を知り、その特性を利用・保全・管理することを目的に、国内外の様々な農耕地において、①物質循環の可視化と効率化技術の構築、②土壌や農環境の保全・改善技術の構築、に関する現場実証型の研究を行っています。例えば熱帯アフリカの畑作地(タンザニア・インド・カメルーン)で、土地利用毎に、土壌中で起きている炭素・窒素・リンの循環を解明し、土壌の化学的性質が異なる場合には、適切な土地利用方策が大きく異なることを定量的に証明し、それらの知見に基づく地域ごとの土地管理方策を提案しました。
これからも積極的にフィールドへ足を運び、土を知り、生かし、そして何よりも守るために、学生の皆さんと一緒に研究を発展させたいと考えています。


計算・実験を融合的に用いた酵素・抗体・蛋白質の設計と改変
本研究室は、生物学と情報科学・物理学の境界領域として、生命現象を原子・分子レベルで解明することを目指しています。そのため、バイオインフォマティクス、生物物理学、進化工学・蛋白質工学を用いて、蛋白質(抗体・酵素)の物性や構造を解析・設計し、酵素の改変実験を行っています。


微生物を利用した低コスト・環境にやさしい水処理・エネルギー回収システムの開発
目に見えない小さな微生物のほとんどはその機能がわかっていません。地球環境中の微生物の機能は眠ったままである可能性が高いのです。私たちは、このような未知の微生物の機能を解明し、利用することで、省エネ・低コスト型の排水処理システムや、農業廃棄物からのエネルギー回収といった課題に挑戦しています。


(bottom) Optical anisotropy of colloidal films due to drying
「反応」や「乾燥」でのモノの出来方を理解して、 機能材料を効率的に作る。
製造プロセスでは、単純に生産速度を上げると、製品に悪影響を与えることがほとんどです。当研究室では、現実の生産プロセスでも多く使われる、「反応」や「乾燥」での速度過程(モノの出来方)を研究しています。具体的には、シリコン材料の生成反応と、塗布乾燥での膜形成を題材として、研究を進めています。効率的な生産方法を提案し、省エネや産業力向上に貢献します。

浅井研究室

文化とコミュニケーションの人類学
自然から文化に跨がる人間にとっての意味/記号の世界が、言語とコミュニケーションを介して生起し変容するメカニズムについて、文化人類学や言語人類学および記号論という視座から研究をしています。また、南太平洋のフィジー諸島における首長の即位儀礼や詩作詠唱に関するフィールド調査も行っています。


生活をよりよくするための,電磁波新技術の開拓
地上デジタル放送、スマートフォン、SUICA、無線LAN、WiMAX、GPS、お財布ケータイ、これらすべては電波を利用しています。我々の生活は電波のおかげで飛躍的に便利になりました。今後、コンセントなど今でも有線が主の分野に対し、電波の利用範囲を広げることでより便利になると予想されています。我々の研究グループでは、電波の利用で便利になった社会を、さらに便利にするような技術の開発に関する研究を、実験およびシミュレーションを通して広く行っています。研究の一例をあげると、電波を送受信するために必須なアンテナの高機能化、電波に対する新しい媒質の開発などで、研究内容は多岐にわたっています。我々の研究グループでは、実験においては最先端の実験装置、電波のシミュレーションにおいては世界最速クラスのスーパーコンピュータを用いて研究を行っています。
