活動記録

「クラスステージ」第1回開催REPORT(2018.10.28)

2018年10月28日に開催された「GIYSEプログラム」の第1回目の様子をご紹介します。

「GIYSEプログラム」には、2つのステージがあります。まず、「クラスステージ」では、プログラム応募者の中から40名を定員として選抜し、プログラムの第1段階として、研究者・技術者に必要な知識を学習します。続く「ラボステージ」では、「クラスステージ」から15名を選抜し、本学の優れた研究者の指導と設備を用いて個人の課題研究に取り組みます。「ラボステージ」に進むまでに、第2次選抜者は、自分の取り組みたい研究テーマを調べ、指導にあたる教員と相談し、課題研究を決めていきます。
「ラボステージ」後、各選抜者は、「東京農工大学高大連携研究員」として研究室で指導を受けながら進め、海外の先端研究者のアドバイスを受けられるようプログラム構成をしています。最終的に学会発表、論文投稿を目指します。

GIYSEプログラムは今年度から4年間の事業となります。初年度の第1期生には、山形から愛媛までの17都道府県から188名の応募があり、選考を経て茨城から京都まで10都府県43名の高校生が参加となりました。「クラスステージ」は、年4回の講義が予定されており、講義は、①研究者の基礎スキルに関する講義(Basic Skills for Scientists)、②科学者のための英語演習(English Communication for Scientists)および、③実験・実習といった3つのセッションから構成されています。

基礎スキル講義風景

まず、「Basic Skills for Scientists」では、物理で行う振り子の実験を例として、実験で必要な記録の方法について各班でディスカッションを行いました。受講生は条件設定、仮説、そして実験結果のそれぞれのプロセスで必要な記録内容を学びました。

「English Communication for Scientists」では、科学に関係する内容を発信、発表する際に、わかりやすく正確に伝える手法として、英語における情報発信の型「Introduction, Body, Conclusion」といったパラグラフを取り入れたプレゼンテーション技法を学習しました。この説明の型に基づいて、生徒たちは蚊取り線香やたまご切り器などの身近の道具の説明方法を考え、班ごとにプレゼンテーションを行いました。

「物理学実験」では、グローバル教育院・副学長の梅田倫弘先生と工学府の高木康博先生に、「偏光を知る、偏光を知覚する」と題して実験・実習を指導いただきました。自作したフィルムを用いた光の入出力の強さを測定し、偏光板でカットされる光の方向を実験結果から同定するものです。

実験・実習の様子。多くの在学生がサポートしています。

最後に、実験結果が生じる原理的な種明かしがあり、参加した生徒たちからは「普段使っているスマホと同じ原理が使われている」といった社会と科学の結びつきに関する声や、「秋葉原で購入できる安価な材料で測定可能であることに驚いた」などの感想が聞かれました。また「自分でこのような実験ができることが面白かった」という声も数多くあり、授業終了後も、梅田先生をはじめとした先生方は、多くの参加者から実験内容について質問が出ていました。

講義に関する感想や宿題などは、ポートフォリオシステムのCLASSI(クラッシー)に集約することになっており、今後は、アンケート内容を通じたプログラムへのフィードバックおよび、英語e-learning、GTECアセスメントなどと繋げていく予定です。

2018年度のクラスステージは、今回も含めた11月25日、1月13日、2月16・17日の全4回の開催予定です。