稲田研究室では、ヒトの健康を生命科学からアプローチし、疾患の発症機構・病態解析・予防と治療法開発を目指した研究を行っています。骨や関節、腱、筋、神経で構成される筋骨格系は運動器と呼ばれ、運動器の健康を維持することは生活の質(QOL)を維持するために非常に重要です。稲田研究室では運動器に関わる疾患として、筋骨格系疾患である廃用性筋・骨萎縮、前立腺がんや乳がんなどの骨転移性がん、全身性の骨疾患である骨粗鬆症、局所性の炎症性骨疾患である歯周病、筋力低下を特徴とするサルコペニアや筋ジストロフィーに着目しており、発症に関わる標的分子の解析や診断技術、予防・治療法の研究を進めています。 また、分子検出技術としてのバイオイメージングを基盤とした細胞や細胞内分子の可視化技術の開発にも注力しています。
メッセージ
運動器疾患の研究というと幅広い臓器が対象となりますが、骨・歯・筋などの動きを伴って機能する臓器の疾患メカニズムの解明と予防・治療因子の研究を行っています。ヒトは運動する時にはバランスをとり、移動するために歩き、このために背骨や足の骨を使います。また、噛むためには歯や顎骨を動かし、これらの運動するために収縮運動する筋肉(骨格筋)の働きが必要になってきます。運動器は相互に緻密なバランスがとられていますが、これらを健康的に維持するためには何が必要か? といったことを解き明かすことを最終的な目標に骨転移性がん、骨粗鬆症、廃用性筋・骨萎縮、サルコペニア、筋ジストロフィー、歯周病の研究をおこなっています。
日々の研究活動を通して、医療技術・創薬・機能性因子の開発に関わる人材として成長して、社会に貢献できるためのビジョンを持った仲間が広く育つことを楽しみにしています。
稲田研究室 稲田 全規
学生さんに向けた稲田先生のプロフィールが”Top Researchers”に紹介されています。
https://top-researchers.com/?p=287
研究テーマ
- 廃用性(不動性)筋・骨萎縮の発症メカニズムの解析
- 骨転移性がん(前立腺がん、乳がん、肺がん、悪性黒色腫)の骨転移機構の解析
- 歯周疾患の炎症性骨吸収における自然免疫の関与
- 機能性食品因子の筋骨格系疾患への効果
研究留学先
- アメリカ・ハーバード大学 医科大学院
- アメリカ・マサチューセッツ総合病院
- ドイツ・ボン大学 生命医科学研究所(LIMES)
- ドイツ・ボン大学 農学研究所(INRES)
- イギリス・オックスフォード大学 医学部
卒業生
2004年~現在:100名以上
卒業後の進路
製薬企業
医療機器企業
食品企業
化粧品企業
ヘルスケア企業
国立研究所
大学(国内外)