Theme Composition and Team Orchestration ©
研究室にいることの醍醐味を味わうためにも,研究室内の学生どうしでも互いに積極的に助け合うことを目指しています.そのため,個々のテーマの独立性と他のテーマとの関連性のバランスを考え,個人と全体との両方を考慮してオーケストレーションを行います.普段はそれがピンと来ないかもしれませんが,研究を進めていくうちに各テーマの伏線がつながる時が来ます.すると,互いに自分が貢献できることのやりがいを味わうことができ,経験に基づく本物の自信が湧いてくるので,一層充実感が増してゆきます.そのような活躍の舞台を常日頃から緻密に整え,長期的な視点で研究室を運営しています.これは各学生が自分の強みを発見したりするキッカケにもなりますし,主体的に価値を生み出して活躍する素地を培うことになります.
研究活動では,世界で初めて何かを明らかにしたり開発したりすることによって,狭い利害関係でなく広い世界の文脈で社会を豊かにする貢献ができます.学術雑誌から論文を出版すると,世界のどこかでまったく知らない人がそれを読んで,その人の仕事に役立って感謝されたりします.つまり,学術雑誌から論文を出版できれば,学生でもプロと同じ立場で感謝されるチャンスがあります.当研究室では現在,プリンティッド・エレクトロニクスとフレキシブル・デバイスに直結した最先端の機械工学を開拓しています.基礎と応用,理論と実験の分野を花崎が渡り歩いてきた珍しい経験を活かし,科学と技術をつなぐ切り口で,高いオリジナリティと普遍的な価値のある学生テーマを考え抜いています.
学部できちんと基礎トレーニングができていれば,個々の専門知識やスキルは適宜いくらでも習得できるので心配いりません.それよりも重要なことは,例えば,成長する上で欠かせないコミュニケーションを大切にする前向きな行動姿勢です.上記の狙いに基づいて研究室を運営するリーダーとの議論や学生どうしの議論を通じて,そのスキルを洗練していきましょう.仲間と助け合いながら研究するうちに,自らの強みは次第に浮き彫りになってきます.応用が利くように強みを深いレベルで理解し,それを活かす能力も磨くと良いでしょう.研究室で仲間と共に本物の新しい課題に取り組んで解決する習慣を身に着けていれば,その後の人生を常に支えてくれる大きな財産になります.博士後期課程では特に,長期的な視点から価値を生み出すことに集中できます.研究室での生活は,世界を相手にクリエイティブな活動に取り組みながらも,結果だけでなく過程も大切にできて,長期的な観点から様々な能力を伸ばすことに充分注力できる最後の貴重な期間です.