Autonomous yet Linked on a Firm Ground

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Coffee Break

研究室内の学生が前提とする基本指針を手短に述べれば,自律連携凡事徹底です.

 

自律」とは,20歳を過ぎた大人として基本的なことを他人にとやかく言われなくても自分できちんと律することができるという当たり前の前提です.その上で,「連携」を重視するのは,ベストを尽くす過程で現れてくる短期的には対処しがたい得意不得意の個人差を,チームである研究室内の学生間で助け合って補い,最高のパフォーマンスを実現するためです.もちろん,ディプロマポリシー等の意味では,自分でできることが必須の部分もあります.なお,自律と自立は異なります.また,自立とは孤立ではないので,よく見ればごく僅かずつ多様なお互いに無理の無い健全な依存で成り立っていることもあります.

 

次に,「凡事徹底」とは,できることを確実にきちんとやるという原則です.研究室では,発見でも開発でも世界初のことに常に挑戦する現場ですが,それは無謀なことや無茶ぶりのような雑なことではありません.それは,優しさと甘さが違い,勇気と無謀が違うのと同じです.高い負荷がかかるプロスポーツの世界でも,長く比較的安定して活躍する選手は,何気ないことをおろそかにせず,一つ一つ確実にきちんと行います.高い意識に基づいて活動し,ルーチンのように足場となる基礎的なことを半ば無意識でできれば,その先の見通しがクリアになり,一見難しいことが案外堅実に可能な場合に気付きます.

 

1日は24時間しかなく,睡眠や食事など必須の生活基盤は欠かせません.そして,大学4年生の年齢では,既にフルタイムの仕事をしている人が大勢います.その中で敢えて「学生」という立場を選択し,さらには,研究室で過ごす期間を経る「分野」を選んだという意思決定は,将来何らかの最大限広い意味での何らかの頭脳労働のプロとして活躍できるために「成長」する一定期間の立場を選んだことを意味します.研究室での研究活動では,つまみ食い的でなく十分に没頭することで初めて成長し,その醍醐味の充実感が得られます.そして,成長して「能力」を得ることは,何かができるという「自由」を得ることでもあります

 

できなかったことをできるように変えてゆくのは,開発の日常です.結果に対して客観的な原因を探るのは,研究の日常です.これらの日常では,高校生の国語の漢文でよく習う一節である「学而不思則罔 思而不学則殆」(論語)が基本であり,成長に雲泥の差をもたらします.大雑把に訳すと,「主体的に自分の頭で考えずに指導者に訊くだけでは成長しないし,自分の考えに固執して指導者の話を聴く意志が無ければ危険である」ということです.日本語でも昔から「一を聴いて十を知る」と言う言葉があり,留意の必要な点です.自分なりに考えたこととリーダーの見解の照合を繰り返すうちに,色々な能力や視野が拓けてきます.



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