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教育研究分野について

 東京農工大学農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)では、資源・物質循環、自然環境、野生動物保護管理、中山間地域農林業、都市型農業の5教育研究分野が有機的に連携し、山岳地域から里山地域、都市にいたる8ヶ所の林地や農耕地を活用して持続可能な社会の実現に結びつく教育研究を実践しています。

資源・物質循環分野
 地球が今のような状況であるのは、地圏、水圏の生態系、そして大気圏との間で行われている物質循環によるものです。そして、その循環に対して、人間活動が質的にも量的にも無視できない影響を与え始めていることが、20世紀以来、我々人類の重大な問題になっています。「資源・物質循環教育研究分野」では、このような問題についての教育と研究に取り組んでいます。
自然環境分野
 21世紀の地球環境を維持するには、①気象/絶滅種を作らない自然環境、②都市生活を快適にする緑の量と質、③環境の地理データベースの構築、などの内容をもつ学際的な研究が必要です。また、従来の学生・院生の実習教育に加え、FSについての社会人教育やインストラクター養成も重要です。これら新旧の内容を包含した教育研究を行う拠点として、約1,000haの森林フィールドが府中キャンパスから100km圏内に展開しています。
野生動物保護管理分野
 傷ついた野生動物を保護治療して自然に返す活動を基盤に、この技術ならびに身近な動物の保護管理に関する教育研究、および大学公開講座や学校における動物飼育支援などの普及活動を、農学部府中キャンパスを中心に展開しています。
中山間地域農林業分野
 中山間地域のフィールドを無視して、国土の保全や食糧問題をのりこえることはできません。本教育研究分野はFM津久井を”エコロジカルファーミング”のモデルとして位置づけ、景観やフィールドそのものをも含めた地域資源を保全しつつ、これを活用する農林業生産技術の教育と研究を行っています。 未利用地域資源の活用、農業と林業の有機的結合(混牧林利用、堆肥の流通、間伐材等有機資材の農業利用など)や地域特産作物の開発・導入などが、中山間地域の立地特性を活用し、人々の暮らしを支えるための大事な課題です。
都市型農業分野
 作物生産系分野(水稲、畑作物、野菜、果樹、花き)、畜産、農産物加工、及び総合管理の8部門で構成されており、広い圃場と多くの乳牛を利用して、都市環境の下での生産技術と生産物の品質に関する教育と研究を行っています。圃場と家畜はスタッフによって計画的に管理され、農場実習や学部・大学院の研究のために効率的に利用されています。 都市型農業は、すでに、膨大な移住環境との調和(臭気、土ぼこり、衛生昆虫等)と消費者との相互交流(公開講座、直売等)を前提としていますが、さらに今後は、生ごみ等の有機性廃棄物を媒介とした地域内物質循環への参加が要請されるでしょう。こうした方向の研究も始まっています。
 
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