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森林認証について

フィールドミュージアム(略称FM)大谷山・草木・唐沢山・秩父 第8次(2000年4月~2010年3月)森林経営計画の概要


東京農工大学農学部附属フィールドサイエンス教育研究センター(略称FSセンター)


1 機構改革により旧演習林から新FMへ

 東京農工大学農学部附属の旧演習林、旧農場、旧波丘地利用実験実習施 設は統合され、FSセンターが2000年4月1日に設立されました。旧演習林は、センター自然環境教育研究分野に属し、FM大谷山、FM草木、FM唐沢山、FM秩父が発足しました。 FMは総合的、学際的、実践的な研究に、生きた展示空間として教育に貢献します。


2 4FMの面積・蓄積・連年成長量などの公開(2000年3月31日現在)

 1999年9-11月の現地調査に基づき、各FMの現況を地図および森林調査簿にまとめました。集計したところ、各FMの面積は、大谷山:92ha、草木:415ha、唐沢山:162ha、秩父:234ha、総面積は、212,270m3(針葉樹:159,580m3、広葉樹:52,690m3)、そして連年成長量は、5,413m3(針葉樹:4,516m3、広葉樹:897m3)となりました。

 

3 保護林の増設・施業注意林の新設

 無施業の保護林の」総面積は前年経営計画よりも激増して142ha(4FMの総面積の16%)となり、見本林などの施業注意林(新設)の総面積は19ha(同2%)となりました。

 

4 経営林の伐採・保育作業

 伐採は、針葉樹も広葉樹も皆伐用材林作業とし、1ha以下の小面積皆伐作業とします。 伐採地には早期に、枝条撒布地拵え、適切な樹種の植付けや更新の管理を行います。スギは1.5m間隔(4,400本/ha)、マツ類は1.3m間隔(5,900本/ha)を基準とします。現に生え繁っている雑草木を刈り払います。

 目的樹種の生育を阻害する不要樹種や、 目的樹種でも形質の悪いものを除伐します。間伐の時期は、植栽後12年、20年、30年を目安とします。ふつう枝打ちは、樹高5m前後に達したら1回目、同6~8mで2回目、同8~10mで3回目、(同12mで4回目)、まで実行し、伐採前10年以上で終了します。

 

5 人間に安全かつ環境保全の集材作業

 集材作業では安全を最優先します。なるべく上げ荷集材とし、集材作業によって生じる土壌の撹乱を最小限にします。長距離集材の場合架空索集材とし、地引を避けます。林道を建設するさいは、林道規定を遵守します。林道開発・維持上、発生した細粒土による渓流濁度を引き起こさない方策をたてます。現在の幹線的な林道配置を考慮して支線として設置する場合は、等高線に沿った配置を原則とします。作業道は、幅員3m以下、縦断勾配15%以下とし、林地保護と河川の汚濁防止を最優先にします。施工上の工夫として、①現地の状況に合わせた作設ルートを尾根筋に取って切取・盛土量を最小限にし、②盛土の植生のため表土を外側に積み、③土留めとして丸太積みや根株を利用羽し、路側排水よりも横断排水を行い、道はアップダウンをつけ、谷は洗い越し工を原則として水の処理を行います。


区切り線1

6 経営計画

 実習や研究が一段落する秋以降に林産物が生産されるため、得られる総収入は多くて年1,200万円程度と少ない。しかし、人件費(2教官と6技官)やFM業務費(年間3,000万円弱)は国庫から別途支給されるため、FMの運営・管理に支障はないが、木質資源が持続的に供給されるよう、森林は計画的に経営されねばならない。 年間成長量は5,000m3以上、伐期に適する90年生以上の樹木の蓄積は現在20,000m3以上あるが、51年生以上の樹木の総蓄積は32,000m3しかないため、今後40年間の伐採量は年間800m3(32,000÷40=800)以下とする。年間伐採量800m3程度では、伐採面積は1~2haである。現地技官の植栽および学生実習により、ササ類などが侵入しない伐採翌年度に、FMにて採取した種子を育苗したものを主に植栽する。高価な良質材を生産するため、予算を講じて山林労働者を雇い入れ、適期に除間伐等の育林作業を行う。 木炭は1,500kg以上、乾椎茸は40kg以上を目標に生産する。


7 経営計画の公開

 以上の経営計画に関する全資料は、FSおよび各FMで閲覧できます。

 

 

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