仮説~検証を繰り返した経験は、あらゆる仕事で役立つ 日経BP社 日経エネルギーNext編集長 日経テクノロジーオンライン副編集長 山根小雪さん

東京農工大学の大学院工学研究科応用化学専攻を修了後、日経BP社に就職した山根さん。理工系の研究経験は、雑誌記者の仕事に役立っているのでしょうか?

現在のお仕事

エネルギー系の専門サイトの企画・編集を統括

現在、私は『日経エネルギーNext』というWebサイトの編集長として、コンテンツの企画・編集などを統括しています。東京農工大学で大学院まで応用化学を学んだ後、私は雑誌記者という道を選びました。就職先は、日経BP社という経済系の出版社。この部署に配属になる前は、『日経コミュニケーション』、『日経エコロジー』、『日経ビジネス』などの雑誌編集部で、記者としての経験を積んできました。

「事実を伝える」という行為の本質を学んだ

今の私にとって、仕事に取り組む姿勢の原型は、大学院修士課程の2年間で形づくられたと思っています。研究室で求められたのは、社会的な課題を解決する工学的方法を見出すこと。価値ある事実を立証するためには、論理を通す作業も不可欠です。研究では、仮説を立て、実験を繰り返しながらデータの確度を高めます。ときには、何十回、何百回と同じ実験を繰り返すことも……。苦しい日々でしたが、「事実を伝える」という行為の本質をここで叩き込まれた気がします。

このトレーニングの成果は、取材をして記事を書くという仕事でそのまま役立っています。入念な下調べをして、業界や事件の背景を理解し、自分なりの仮説を立てて取材に臨む。それを繰り返すことでやっと価値ある記事が生まれるのです。また、理工系科目を幅広く学んだ知識は、最新のテクノロジーをわかりやすく伝える仕事でも大いに活かされています。

農工大への入学~研究活動

有害な化学物質を微生物で分解する研究

高校時代から環境問題に関心があった私は、東京農工大学の工学部応用化学科に進学します。そして、有害な化学物質を植物や微生物で分解する「環境浄化技術」という研究テーマに出合います。私が学んだ1990年代には、「環境ホルモン」と総称される人体に影響を与える化学物質が大きな問題になっていて、カップ麺や弁当の容器に含まれる成分に誰もが過敏に反応していました。その解決策につながる可能性があるテーマにやりがいを感じ、大学院への進学を決意。厳しい恩師の指導のもと実験に没頭する日々を送りました。

そして、身につけた環境に関する知識をメディアから情報を発信する仕事で活かそうと考え、雑誌記者の道を志します。そこで、在学中によく読んでいた『日経エコロジー』という環境をテーマにした雑誌の出版元である日経BP社の面接を受け、現在に至ります。

学生時代にWebマガジンを創刊

記者をめざしたきっかけはもうひとつあります。それは、在学中に「小金井蛙新聞」というWebマガジンを仲間と立ち上げ、創刊編集長を経験したこと。プログラミングの知識がある仲間を巻き込みながら、キャンパスライフや寮生活についての情報を発信したのは、今でもいい思い出です。

高校生へのメッセージ

同期の仲間も幅広い業界で活躍中です!

理工系の大学院で、仮説~検証を繰り返した経験は、研究者・技術者だけでなく、あらゆる仕事で役立つもの。その証拠に、同期の仲間も幅広い業界の第一線でバリバリ活躍しています。

国公立ならではの充実した研究設備と熱心な先生がいるのが農工大の大きな魅力。この密度の濃い学びに没頭できる環境が、みなさんの将来の可能性を必ず広げてくれることでしょう。

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