Laboratory for Environment and Life Science

From Molecules To Environment

分子シャペロン

生命の活動は,タンパク質によって支えられている。タンパク質がその機能を正しく発揮するためには,合成されたポリペプチド鎖が正しい形へとフォールディングすることが必須である。単純な二次構造をした小さなタンパク質は自発的にフォールドすることが可能である。しかし分子量の大きなタンパク質やオリゴマー形成をするタンパク質はフォールディングの過程が複雑であるためミスフォールドする確率が高い。ミスフォールディングは不可逆的凝集体の形成を引き起こし,細胞機能に障害を与え得る。そこで,生体内では新生タンパク質やストレスにより変性したタンパク質が正常に機能するネイティブ状態に達するように,分子シャペロンと呼ばれるタンパク群によって管理されている。
分子シャペロンとは,タンパク質のフォールディングを助ける機能を持つタンパク質の一群のことである。現在,新生ポリペプチド鎖のフォールディングだけではなく,タンパク質の細胞内輸送や品質管理,成熟タンパク質のメンテナンス・活性制御,不要になったタンパク質の分解など,極めて広範な細胞機能の制御に関与している分子のことも含め分子シャペロンと呼んでいる。 分子シャペロンの多くは、熱ショックタンパク質(Heat Shock Protein, Hsp)と呼ばれており、熱などのストレスにより発現が誘導される。代表的な分子シャペロンファミリーとして、small Heat Shock Protein, Hsp40Hsp60(シャペロニン)Hsp70Hsp100に分類される。

シャペロニン
プレフォルディン
sHsp
Hsp104