先輩たちからのメッセージ


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新卒研生採用情報


学部4年 B4 石原 功基
-先輩達からのメッセージ 2015、
初回は石原功基さんにお話をうかがいます。

お忙しいところ、
お時間をいただきありがとうございます。

今回は石原さんの研究生活や体験談をもとに、
3年生へ向けたメッセージをお聞きしたいと思います。
まずは石原さんの研究内容についてうかがわせてください。-

こんにちは、学部4年の石原です。
私はテラヘルツ波帯(0.1〜10 THz)における
「電磁メタマテリアル」の研究をしています。

電磁メタマテリアルは電磁波の波長に対して十分小さい
金属ワイヤーやC型の金属リングなどを
原子や分子に見立てて配列した人工構造体です。

電磁メタマテリアルを用いると、
自然界にはない電磁的特性を得ることができます。
具体的には、非常に高い屈折率、ゼロに近い屈折率、負の屈折率などです。


私はメタマテリアルを用いた負の屈折率について研究をしています。
負の屈折率媒質に電磁波が入射すると通常とは反対方向に屈折が生じるなど
従来では考えられなかった現象が起きます。

また負の屈折率の特殊な性質はレンズとしても応用することができ、
今までは識別できなかった“波長よりも小さい対象物”を識別することが可能になります。
このレンズは「スーパーレンズ」と呼ばれ、
実現できればテラヘルツイメージングの分野において大きな発展が期待できます。

-「スーパーレンズ」ですか、非常に面白そうな研究をされているのですね。
ところで石原さんは既に国内学会での発表を経験されているそうですが、
学会を通して感じたことなどを教えてください。-

はい、私は9月に北海道大学で行われた
応用物理学会にて研究成果を口頭発表いたしました。
初めての学外発表だったので、緊張しましたが、
大舞台を楽しみながら発表することができました。

学会発表を通して自分の研究を多くの人に知っていただくとともに、
質疑応答を通して意見交換できたことは非常に嬉しかったです。


研究は常に順調だったわけではなく、うまくいかないことも多くありました。
しかし問題の原因を考え、一つひとつ対処していくことで解決できました。
その過程では研究室のメンバーやスタッフの方々の多くのサポートがあり、
チームワークの重要性を強く感じました。

発表後には北海道ならではの料理や自然を楽しみました。
この時の様子は10月のブログにも載っています。
発表後にその土地の文化に触れることができるのも学会の良いところです。

現在は国内学会に続き、 香港で行われる国際会議、
IRMMW-THz 2015
での発表を目指して研究を進めています。

-学会発表を通して様々なことを学べるのですね。
学外活動にも積極的に取り組まれているそうですが、
どのようなことをしているのですか?-


はい、私は電子情報通信学会東京支部学生会の運営委員として活動しています。

12月12日(金)には、株式会社日立製作所 相談役の庄山悦彦様を講師に招き、「日本のモノづくりの心」というテーマで講演会を開催しました。

当日は学生から一般の方まで沢山の参加者で会場が埋め尽くされ、多くの意見や質問が飛び交う活気あふれる講演会となりました。

事前のミーティングやリハーサルを綿密に行い、
運営委員一人ひとりの動きを分刻みで計画したことで
講演会をスムーズに運営できたと思います。

この経験を通してプロジェクトを円滑に進める能力を高められたと感じています。

他にもTOWERSというIEEEより援助を受けている学生団体で
ワークショップの運営などにも取り組んでいます。

これらの活動を通して研究だけでなく研究+αの能力も高めることで、
一流の技術者に成長していきたいと考えています。


- 学生会などを通して様々なことに取り組まれているのですね。
最後の質問になります。石原さんが、新しい仲間に期待することは何ですか?-

決断力と行動力です。

目の前のチャンスは逃したら戻ってはきません。
そのため常に自分が成長でき、
自分に良い影響を与えることには躊躇なく挑戦してほしいです。

限られた時間の中で、いかに努力し、多くの経験を積めるかが、
将来優秀な人財になるための鍵だと思います。


高い目標を持って、積極的に行動できる仲間を待っています。
皆でより良い研究室を創っていきましょう!

石原 功基
1992年神奈川県生まれ。2014年4月に鈴木研究室配属。テラヘルツ電磁メタマテリアルの研究に従事。平成26年度茨城大学工学系学生表彰、平成26年度茨城大学成績優秀学生表彰(学長表彰)を受賞。現在、8月に香港で行われる国際会議を目指して研究に取り組んでいる。