ウズベキスタン共和国のフェルガナ地域は、千年以上の 絹生産の歴史をもつ古代シルクロードの交差点にあたります。
その養蚕業を支えているのが、フェルガナ州です。
フェルガナ州の郷土博物館にあるかつての王が使用していた蚕の紋章を見ても、養蚕業がこの地域の自慢産業であることが伺えます。
アトラス は「絹の王様」という意味をもつ,ウズベキスタンでつくられるとても美 しい絹織物で,地元の女性の間で世代を通して受け継がれています。
しかし,ソビエト連邦の崩壊は農村地帯の地域経済に大きな打撃を与え, 伝統的な絹産業は停滞しました。
そこで,JICA の草の根支援プロジェク トにより、2009 年から東京農工大学はウズベキスタン共和国の国立養蚕 研究所とビジネスウーマン協会と協力しながら、「ウズベキスタン共和国 シルクロード農村副業復興計画-フェルガナ州における養蚕農家の生計向 上モデル構築プロジェクト- 」を行ってきました。
ソ連崩壊以降、養蚕や製糸の技術的進歩は停滞し、質量ともに国際競争力ある生糸・絹織物はほとんど生産されていません。また、中国から輸入される質のあまりよくない蚕種からつくられた繭の多くは廉価で買い上げられており、農家は養蚕への期待を徐々に失いつつあります。
「絹の王様」という意味を持つアトラスは、日本の絣(かすり)と同じのように、あらかじめ部分的に染め分けた経糸(たていと)を、模様にしたがって織り上げていきます。
フェルガナ地域農民を対象に、養蚕を主体とした農家副業技術の改良・向上に向けた普及活動を行い、生産物の販売モデルを確立したいと考えています。
これにより、農民による自立的な生計向上が実現すれば、ウズベキスタン国内の養蚕地域において活動発展と高品質蚕糸の安定生産につなげることがでます。
将来は付加価値の高い「新シルクロード」絹製品の輸出も期待しています。
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