多くの信号処理アルゴリズムではその構造は固定されていますが、さまざまな応用タスクに合わせて適切なアルゴリズムを設計するには高度な数理的知見が必要になります。 本研究室では、そのようなアルゴリズムの適切な構造をある程度自動的に学習するアプローチについて研究しています。 対象とする信号やデータの特性に合わせて優れた信号処理アルゴリズムを自動的に設計する方法論の確立を目指しています。
信号のサンプリングを行うためのアナログ-デジタル変換器ではサンプリングできる値の範囲が決まっており、その範囲を超えた値は正確にサンプリングできません。 その対策として、信号がその範囲に含まれるように剰余演算を用いて「折り返して」からサンプリングを行う剰余サンプリングという手法が検討されています。 この剰余サンプリングによって得られた結果から、元の信号を復元するための手法について研究しています。
圧縮センシングや無線信号検出のための信号復元アルゴリズムでは、復元誤差をできるだけ小さくすることが重要です。 一般には復元誤差を事前に評価するのは困難ですが、いくつかの仮定のもとでは誤差の値を理論的に評価することができます。 本研究室では、最適化や確率推論のテクニックを用いて、信号復元のための最適化問題や最適化アルゴリズムに関する理論解析を行っています。 このような理論解析の結果は数学的に興味深いだけでなく、アルゴリズムの設計やパラメータの調整に役立つことが期待できます。