研究室配属などにおけるマッチングをより良いものとするため、早川の指導方針や本研究室の活動などについてまとめたページです。
質問・相談・見学希望などがあれば、気軽に hayakawa [at] go.tuat.ac.jp までメールしてください。
(本研究室での博士前期課程・博士後期課程への外部からの進学も歓迎しています。研究生としての受け入れは原則として行っていませんのでご了承ください。)
本研究室における研究指導では、メンバーがそれぞれ適切な難易度の研究テーマに取り組み、社会で必要となる様々なスキルを身につけることを目的としています。 具体的には、文献調査・課題設定・解析・実験・論文執筆・研究発表などを通して、以下のような汎用的スキルを磨いてもらいたいと思っています。
最終的には、自ら課題を発見・解決し、成果やその価値を説得力のある形で人に伝えられるようになってもらいたいと思います。
上記の目的には、研究成果を出すということは含めていません。 少なくとも学部生や修士学生には、研究成果それ自体よりも、自分が成長することを大事にしてもらいたいからです。 それができれば成果も自然についてくると考えています。
基本的にはそれぞれのメンバーは別々の研究テーマに取り組むことになりますが、自分の知識や技術が他のメンバーの研究にも役立つことはよくあります。 他の人の研究にも興味を持ち、互いに教え合いながら協力できる人になってもらうのも目的の一つです。 それぞれが個々の課題に取り組みつつも、グループとしてゆるく協働できるような雰囲気を理想としています。
研究の進め方(テーマの決め方、論文の探し方・読み方・書き方、スライドの作り方、プレゼンの仕方、など)については事前にある程度説明を行い、日々のミーティングなどでも適宜フィードバックを行います。
ただし、どういう課題に取り組むか・どうやって解決するかといったことに関しては、学生のみなさんにも主体的に考えてほしいと思っています。 もちろん適度にアドバイスはしますが、私が指示してばかりになってしまうと(私が思いつかない)みなさんのアイデアを埋もれさせてしまうかもしれないので、時には干渉するのをあえて控えることもあります。 そのため、一応教員と学生という関係ではありますが、半分くらいは共同研究者のつもりで接しています。自分の研究テーマに関しては、最終的には教員よりも詳しくなってもらいたいと考えています。
どれくらい研究に励むかは個人の自由ですが、たくさん研究したければできる限りのサポートをします。 学生のみなさんにとっては指導教員は使い放題なので、どんどん活用してください。 また、先輩から後輩へは以下のようなサポートを適宜してもらうようにしています。
後輩は先輩からいろいろ教わり、先輩は後輩に教えることで自分も成長する、という効果を狙っています。
本研究室での研究は、信号処理分野で未解決の数理的な課題に対して新たな理論や手法を提案し、その妥当性や有効性を計算機実験を通して検証する、という流れになることが多いです。 上記の目的や方針をふまえて、現在は研究室全体でのミーティングと個別のミーティングを軸として研究活動を進めています。
まず、メンバー全員がそれぞれ数分程度で近況報告(1週間でやったこと)を順番に説明します。 1週間でできたこと・できなかったことを振り返り、それを踏まえて今後の計画をある程度具体的に決めることで、作業時間の見積もりスキルを高めていくのが目的です。
その後、代表者1〜2人がスライドを使って自身の研究の状況を発表します。 発表者は、スライドとは別に報告内容をまとめた文書も作成します。これが卒論・修論のベースになります。 まずは各自で文書を読む時間を設け、その後に発表を行います。 発表後には、発表を聞いている人全員が必ず1つ以上質問するようにしています。 質問者の質問スキルを高めるとともに、発表者へのフィードバックを行うのが目的です。
必要に応じて、スライドでの発表の代わりに
などを行うこともあります。
全員が集まる研究室ミーティングとは別に、私との個別のミーティングを適宜行います(卒論時期は週1回程度、修士は月1回以上)。 それまでにやってきたことや得られた結果について説明してもらったうえで、これからの方針について詳細な議論を行います。
提出〆切の2〜3ヶ月前から、卒論を書き始めます。 文章の書き方についての本を事前に読んでもらったうえで、少なくとも4〜5回程度は原稿のやりとりを繰り返して丁寧に添削を行います。
修論はM2の12月までにほぼ完成させて、それ以降は発表準備や英語論文の執筆などにあてる予定です。
得られた研究成果は、積極的に国内外の学会で発表します。学会発表は、自分の成果を広く公表するとともに、研究室外の学生や研究者と交流できる有意義な機会です。 具体的には、修士の学生であれば修了までに学会発表を2〜3回程度は行い、英語論文を1〜2本程度執筆するのを目安にしています。 卒論・修論発表と同様に、論文やスライドに関してはしっかりと添削を行います。
国内の学会発表に関しては、電子情報通信学会 信号処理研究会が主催する信号処理シンポジウム(毎年11〜12月頃)を主なターゲットにしており、学部4年生以上のメンバーは毎年発表することを目指します。 より多くの成果が得られたら、適宜他の学会での発表も行います。
以上の内容や私の研究室の研究スタイルをふまえて、以下の項目のいずれかに当てはまる方を特に歓迎しています。
ありません。研究室全体で行われるミーティングを除けば、基本的に時間の使い方は自由です。 人それぞれ適したスタイルがあると思うので、毎日決まった時間に研究室で作業するようにしてもいいですし、家で作業する方が集中できる場合はそのようにしてもらっても構いません。 どのように自律的に計画を立てて実行していくか・どのようなやり方が自分に合っているか、といったことも研究活動を通して学んでもらいたいと思っています。 (ただ、多くの場合は研究室に習慣的に来る方が研究は捗ると思います。)
各学生の興味・関心を考慮したうえで、上記の指導目的を達成するために適切と思われる研究テーマを設定します。 やってみたいことが学生の方である程度具体的に決まっている場合は、それをベースにして相談しながら具体的なテーマを決めていきます。 そうでない場合は、私の方から候補となるテーマや関連する論文を選択肢としていくつか提示することになると思います(こちらのパターンの方が多いです)。
直接指導した学生の卒論・修論のタイトルは こちらです。 詳しい内容まで知りたい方は、メールなどでご連絡ください。
今のところは主にPythonを使っている人が多いです。研究テーマによってはMATLABを使うこともあります。 未経験でも、研究室に入ってから勉強してもらえれば特に問題はないと思います。
研究テーマにもよりますが、
などをある程度知っておくとスムーズに研究を始められると思います。ちなみに、一番理解していてほしいのは線形代数です。 また、論文は基本的に英語なので、英語の学術書や論文に慣れておくのも良いと思います。 個別に相談したい場合はメールなどでご連絡ください。具体的に本などを紹介します。