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日本の都市システムや環境技術を学び垂直農業の夢を実現したい

Vol.01 2014.04.01
ドミニカ・クリジンスカ ポーランド出身

私はポーランドの大学で建築学を専攻し、卒業後は1年間のコースで地域開発や都市政策について学んできました。地域開発に携わる会社で働いた経験もあります。そして、現在は、ポーランド日本情報工科大学の修士課程でプロジェクトマネジメントを学んでいます。

これまでの学びや仕事の経験のなかで、「日本」という国は常に気になる存在でした。電車やバスがオンタイムで運行され、治安がよく、人々が安心して暮らせる理想の都市。それをこの目で確かめたいと思い、STEPプログラムに参加しました。

東京に暮らしてみて、街が本当によくオーガナイズされていることに驚きました。人も車もゆずり合いながら、スムーズに共存している。私の暮らすワルシャワでは考えられない光景です。それだけでなく、街を歩く日本の人々のファッションにはこだわりがあり、お店に並ぶスイーツや雑貨などもとっても美しく品があります。また、東京都心には大きな公園や屋上庭園などが多く、想像以上に自然が多いことにも驚かされました。 このように管理の行き届いた街がどのようなルールや仕組みで維持されているのか、しっかり学んで帰りたいと思っています。

現在は、工学部のある小金井キャンパスのインターナショナルハウスに滞在しています。メインで通う府中キャンパスまでは自転車で約30分。毎日、いいエクササイズになっています。 東京農工大学のサポートスタッフは、みんなとてもやさしく、留学生への充実したケアにはたいへん感謝しています。また、1年間の短いプログラムながら、興味ある研究室のプロジェクトに参加できる点も魅力です。出身大学での研究フォーカスが垂直農業であり、農工大でも国際環境農学専攻の山田祐彰准教授の下で、アジアの垂直農業の先進事例、特に日本の事例を研究したいと考えています。

垂直農業は、都市部の庭先や屋上のスペース、または室内で野菜などの農作物をつくりそのエリアで消費するコンセプトです。これに合わせた住宅やオフィスビルのデザインも必要になるでしょう。長期的に、こういうイメージを想像してみてください。垂直農業によって、都市部でも地産地消が進んで、輸送コストや燃料の消費を抑えられるだけでなく、トラックの排気ガスが減り、環境負荷も軽減できます。まだまだ理想でしかありませんが、日本の都市システムや環境技術の中に垂直農業の実現につながるヒントが必ずあると思っています。チャンスがあれば、東京農工大学の博士課程に進み、垂直農業についての専門的な研究をしたいですね。

将来は母国ポーランドを含むヨーロッパ諸国の政府機関などで、人々の暮らしをよくする街づくりの仕事に携わりたいと思っています。

プロフィール

ドミニカ・クリジンスカ ポーランド出身

ポーランド、ワルシャワ出身。学部時代、ワルシャワ工科大学で建築学を学び、その後、都市政策について1年間学んだ経験も。現在ポーランド日本情報工科大学(PJWSTK)のプロジェクトマネジメント専攻の修士課程に在籍しながら、STEPプログラムを利用して、日本に1年間留学している。

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