Olfactory Assist Mask
嗅覚アシストマスク
図1 嗅覚アシストマスク装着時
図2 匂い提示までの流れ
嗅覚アシストマスクとは、使用者の周囲に存在するガスの濃度変化をセンサで検出し、人間がはっきりと感じるられる安全な匂いの濃度変化に置き換えて提示する装置です。これにより、無臭の化学物質や人体に有害な化学物質を、実際に嗅いでいるかのように感じさせることができます。嗅覚アシストマスクの使用者は、図1の写真に示すように、ガスセンサを取り付けたガスマスクを装着し、リュックサックを背負います。リュックサックの中には、AD変換器、小型のパソコン、匂い生成装置が収められています。ガスセンサが化学物質を検出すると、AD変換器を介してPCに信号が送られて、検出した物質の濃度変化を算出します。算出された濃度変化に応じて匂い生成装置で匂いを発生させ、使用者が装着するマスク内へ送り込みます。匂い生成装置は、ポンプ、活性炭フィルタ、匂い調合装置で構成されています。匂い調合装置内には香料をセットするバイアル瓶が複数本並べられており、このバイアル瓶にポンプから清浄空気が送られて匂い付き空気が生成されます。余分に生成された匂い付き空気は活性炭フィルタへ送られ、脱臭されてから空気中に放出されるようになっています。麻薬や爆発物に含まれる特有の物質を選択的に検出できるセンサがあれば、現在、麻薬探査犬や爆発物探知犬が行っていることを人間が行うことも可能になります。