領域についてABOUT
生命現象におけるタンパク質の機能解明のために、常に新しい研究アプローチの開拓が望まれています。CRISPR-Cas9を用いた遺伝子改変技術、siRNAを用いた遺伝子ノックダウン、人工リガンドを用いた化学遺伝学的アプローチなどの、生体中におけるタンパク質への介入手法は、これまでタンパク質の生物学的機能の解明研究に貢献してきました。
本領域研究は、生命システム研究を阻む障壁を打破する新規生物学研究「アプタマー生物学」の創成を目的とします。核酸工学の分野から創出したアプタマーによるタンパク質活性増強手法を応用した、生命科学研究を変革するための挑戦的な研究です。具体的には、恒常性の維持に関わるタンパク質の機能を増強するアプタマーをマウス脳に導入することで、経路特異的な介入を行い、実装モデルとして昨今重要視される脳内の恒常性維持機構を制御する生命システムを解明する研究を実施します。このようなアプタマーによるタンパク質操作に基づく生物学研究を「アプタマー生物学」と名付け、生命科学研究を飛躍的に進歩させる変革を起こすことを本研究領域で目指します。
領域代表 塚越かおり
(東京農工大学)