学長メッセージ
学長、松永 是のご挨拶です。
東京農工大学長
松永 是(まつなが ただし)
東京農工大学は、産業の基幹である農学と工学を中心とし、その融合分野も含めた教育研究分野を備えた特色ある大学として、大学創基140年という長い歴史と伝統を引き継ぎ、培ってまいりました。大学の本分は、知を継承すること(=教育)、そして知を探求し、深化させること(=研究)にあります。本学はさらに、『持続発展可能な社会づくり』のための将来設計を提唱することも重要な使命とし、常に新たな取り組みに挑戦しています。
現在、地球は様々な問題を抱えています。環境・エネルギー・食糧問題、すべて地球上の生物の存続にかかわる課題であり、その解決及び持続的発展可能な社会を実現するためには、私達研究者の果たす役割は大きいと信じています。本学は、研究重視型の科学技術系大学院基軸大学としてその責を担い、『美しい地球持続のための全学的努力』として、グリーンイノベーションやライフイノベーションに一層精力的に取り組んでいきたいと考えています。イノベーションとは『全く新たな価値観の創造』であり、大学のみならず企業、国、自治体等公的機関との積極的な連携が求められるものです。本学は積極的に各省庁等の競争的資金に応募するとともに、早くから産学連携の重要性に注目して力を入れてきました。その結果、外部資金比率や教員一人あたりの共同研究件数や金額は、常に日本のトップクラスを維持しています。そして、今後も更に多種多様な機関や企業との連携を進め、研究力や成果発信力を高めていきたいと思っています。
また、上記の目標に向かって邁進し、社会に貢献するとともに国際社会でも指導的な役割を担えるような質の高い優れた人材を育成することも、本学の大切な役割です。現在、80を超える海外の大学と学術交流協定を締結するほか、海外拠点を設置して海外の有力大学や企業との連携を進め、優れた留学生や研究者を受け入れ、本学からも学生や研究者を派遣するなど、積極的な国際交流に努めています。学生や若手研究者が自由な発想でのびのびと研究に専念し、大学全体として、農学と工学という2分野からなる本学の特色を十分に活かし、その融合領域を含めた広い視野からの新たな知の創造ができる環境をさらに整備するべく、様々な努力をしていきたいと考えています。
先の東日本大震災を含め、地球は様々な問題や課題を私たちに突き付けてきます。これからの世界により良い未来を見出すため、本学の研究力や人材育成の成果が益々重要になるものと確信し、更なる前進・発展に力を尽くして参ります。