物理システム工学専攻
物理システム工学専攻(博士前期課程)の紹介です。
【このページの目次】
物理システム工学専攻の概要
【学ぶ内容】物理学の原理に基づいて未来の科学技術を創造する
21世紀のIT社会を支えるものに、原子を1つずつピラミッドのように並べたICや、1つの電子で動くトランジスター、磁気記録の働きを持つ半導体などが考えられています。ここにも物理学の考え方やものの見方が活かされています。本学科では、量子系、材料物性系、複雑系の3分野を柱とした基礎的な教育を行っています。
【カリキュラム】物理学をベースに科学技術の発展をめざす
力学、電磁気学、量子力学、熱統計力学の4つをコア科目として、講義と演習による連携指導。新指導要領に対応した導入科目により、大学での学習に無理なく接続します。これらの科目を徹底的に理解した後、バラエティーに富んだ研究室のいずれかに所属し、高度な研究を通して、より深い理解力と応用力を習得していきます。
【教育目標】物理学の基礎を体系的に学び、科学技術に応用できる人材を育成
物理学は科学の基礎であり、画期的な技術革新を担う学問分野です。物理学の考え方を基礎とし、幅広い領域での物質のふるまいを体系的に学び、新しい技術や素材、システムを創り出すための知識を習得し、その考え方や方法を用いて科学技術を応用できる人材を養成します。
専修等 | 教育研究分野 |
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量子系工学 | 量子機能工学、原子過程工学、半導体量子工学、量子ビーム工学、 量子光工学、量子電子工学 |
複雑系工学 | 高次機能工学、超伝導工学、磁気物性工学、有機電子工学 |
物理情報コミュニケーション学 | 物理情報コミュニケーション学 |
担当教員及び研究テーマ
量子系工学
担当教員 | 研究内容 |
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森下 義隆 | 光や電子、磁気の機能を集積した3次元ナノ構造(磁性体や半導体の量子ドット構造、フォトニック結晶やそれらを組み合わせた人工構造)の作製・評価と応用に関する研究。 |
生嶋 健司 | 量子物性と極限計測。特に、量子ドット、量子ホール電子系、超伝導微小接合における電子輸送現象。これら量子デバイスの基礎研究を通して質的に新しい計測技術を開拓し、物理の枠を超えた応用展開を狙う。 |
鵜飼 正敏 | 原子・分子・クラスターなどの関与する光イオン化・光解離・正負電荷再結合・化学反応動力学における超励起状態の特質と役割についての、原子・分子物理学的・放射線物理学的な側面からの研究と、その応用。 |
畠山 温 | レーザー分光、レーザースピン偏極、レーザー冷却をベースとした原子・分子・光物理学の実験的研究。特に、原子−表面相互作用の基礎研究と、それに基づく原子の精密計測や量子制御への応用研究を行う。 |
前橋 兼三 | カーボンナノチューブやグラフェンといったナノカーボンの合成、および、それらを用いた新機能ナノ量子デバイスの作製、さらに、高感度バイオセンサーの開発を行っている。 |
箕田 弘喜 | 生体高分子をはじめ様々なナノスケール材料が、ガス雰囲気下や溶液中などの実環境下で発現する機能と構造との関係を明らかにする。そのために、実環境でのナノ構造の高精度観察を可能にする電子顕微鏡装置や電子顕微鏡法の開発を行う。 |
室尾 和之 | レーザー物理工学、特に光の非古典的量子状態の量子相関の物理的研究、および光の量子性を利用した非古典的分光計測への応用。 |
三沢 和彦 | フェムト秒領域において、超短パルス光の位相で凝縮系の物性を量子力学的に制御する、新しい学問領域を開拓する。この量子力学的制御技術を応用して、フォトニックデバイス、光化学反応制御、分子イメージングなどへの展開をはかる。 |
宮地 悟代 | 高機能な光量子の発生・制御、および利用による次代の光科学技術基盤の創出を目的とした先端レーザー開発とその応用に関する研究。特に、高強度な超短パルスレーザーによるナノプロセッシング技術基盤の確立を目指す。 |
複雑系工学
担当教員 | 研究内容 |
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村山 能宏 | ソフトマター物理学、生物物理学の実験的研究。生体高分子の一分子観測、操作。ミクロ、マクロを問わず、やわらかいものが引き起こす現象の解明と新しい観測、操作技術の開発。 |
柳澤 実穂 | 細胞モデルを用いた実験から生命現象へ物理的に迫る研究。柔らかな膜で覆われたミクロ空間内に閉じ込められたタンパク質などの生体高分子が示す相転移現象の追求と、その医学・薬学への応用。 |
内藤 方夫 | 超伝導材料の物質科学・物性科学に関する実験的研究。特に、薄膜合成を用いた新超伝導体の材料探索、高温超伝導の発現機構解明を行う。 |
香取 浩子 | 磁性体で生じる相転移現象の実験的研究。特に、フラストレーションを内在する物質において、スピン・格子・電荷などの自由度の複雑な絡み合いの結果生じる相転移現象の学理を追求するとともに、それに付随する機能の開拓を目指す。 |
嘉治 寿彦 | 有機材料の電子物性・光物性に関する実験的研究。特に有機材料を半導体に用いた電子素子や太陽電池の研究と、そのための薄膜成長や結晶性、ナノ構造の制御の研究。 |
物理情報コミュニケーション学
担当教員 | 研究内容 |
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森 祐希子 | 映像による情報コミュニケーションという観点から、演劇と映画を、映像表現技法の発展・変化、観客との関係、作品の文化的背景と時代性等を軸に研究する。 |
主な就職先
卒業後の進路状況
平成22-23年度実績
進学 | 8% |
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就職 | 92% |
当学科の卒業生の強みは、物理学の体系的な理解です。そして、根本原理から科学技術を創造する力を身につけていることです。そのため、卒業生の進路は、幅広い分野に開かれています。電気・情報・機械・材料・光学・医療機器・エネルギーなど、バラエティーに富んだ分野へ進み、創造力を発揮して活躍しています。
最近では、もっと研究をしたい、あるいは、もっと高度な専門能力を身につけたいと希望し、大学院・博士前期課程へ進学する学生が増えています。
就職先状況 (博士前期課程卒)
平成22-23年度実績
区分 | 実績 |
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電気・半導体 | 18人 |
機械・制御 | 10人 |
情報・通信 | 6人 |
工学・医療機器 | 5人 |
化学・材料 | 6人 |
公務員 | 1人 |
教員 | 0人 |
その他 | 1名 |
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