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工学府[博士前期課程、博士後期課程、専門職学位課程]

生命工学専攻


生命工学専攻(博士前期課程・博士後期課程)の紹介です。


【このページの目次】


生命工学専攻の概要

生命工学専攻イメージ

ヒトゲノムの解読が終了し、生命の神秘が次第に解き明かされようとしています。この生命研究の急激な進展とともに得られる様々な知見は、化学・医薬品製造、臨床診断、食品産業など生命産業において、膨大な数の新産業を創出しています。この新産業創出の起動力となっているのが生命工学であり、その研究分野は世界中の先進国で次世代を担う基幹分野と位置づけられ、他の研究分野と融合を繰り返し、新分野を創出し続けています。
本学生命工学専攻では、複雑かつ高度な生命現象を分子レベルから理解することを通じて、多方面の工学情報と関連させ、新たな産業分野を開拓する魅力ある人材を養成することを目的としています。
研究分野は極めて多義に及び、対象とする生体分子は、小分子から核酸、タンパク質、細胞、組織器官、動・植物までに及び、これらを生化学、分子生物学、細胞工学的手法をはじめ、電気化学、X線結晶構造解析、NMRやインフォマティクスを駆使して解析し、これを実際に利用するための基礎・応用研究を行っています。これまでにマリンバイオテクノロジー、植物バイオテクノロジー、DNAチップ、バイオエレクトロニクス、ES細胞、組織工学、クローン動物の作出といったユニークな研究分野で次々と国際的に優れた研究成果をあげています。さらに、これらの成果は産業界からも注目を集めており、産業応用に特化した研究成果が本専攻の特徴でもあります。また、新しい研究の流れとしてナノ・バイオテクノロジーが挙げられます。半導体工学、電気電子・有機材料工学、機械工学などの最先端研究分野であるナノテクノロジーとバイオテクノロジーが融合したこの分野は、極めてエキサイティングで社会的意義の大きな研究分野です。
本専攻を修了した学生は、多くの分野で世界最先端の研究に従事しています。

専修等教育研究分野
生体機能工学
細胞機能工学、生命分子情報科学、生体分子構造学、細胞分子工学、
ナノ生命工学、植物情報工学
バイオビジネスバイオビジネス
応用生物工学
生命分子工学、海洋生命工学、生体電子工学、分子生命化学、生命有機化学
バイオソサエティ工学生体分子プロテオーム
身体運動システム学身体運動システム学
人間行動システム学人間行動システム学
生物言語学生物言語学
連携分野環境ゲノム工学


担当教員及び研究テーマ

生体機能工学

担当教員研究内容
松岡 英明細胞マイクロエレクトロニクス、単一細胞操作支援ロボット、非培養微生物試験、メソッドバリデーション、単一細胞工学による新規薬剤開発に関する研究を行う。
斉藤 美佳子疾患モデル細胞の開発、再生医工学、ES細胞およびクローン技術、単一細胞遺伝子工学、植物のストレス応答解析、多機能型微小電極に関する研究を行う。
朝倉 哲郎核磁気共鳴NMR(主に固体NMR)を用いた生体関連物質の構造・機能の解明、その成果に基づく新規再生医療用材料の分子設計、遺伝子工学・ペプチド合成の手法を駆使した創製と開発を行う。
黒田 裕本研究室では、実験と情報科学の両方の手法を用いて、分子レベルでの生命科学研究を行う。特に、① 蛋白質の構造、物性及び構造形成機構を、溶液NMRなどの物理化学的な実験手法及び遺伝子組み換え技術を用いて研究する。② バイオインフォマティクス的手法を用いて蛋白質の構造と配列の相関を解析する。
中村 俊Ⅰ.コニュニケーション行動の神経機構。動物の社会性行動発達を評価する方法を確立し、動物同士の感覚・運動的相互作用が社会性行動を引き起こす脳内メカニズムをin vivo 及びin vitro で解析する。
Ⅱ.神経細胞のナノ構造体のダイナミックス解析。細胞の膜骨格等の動態を可視化し、神経回路のなかで、シナプスなど細胞の極性構造が発達するメカニズムを解析する。
宮浦 千里癌、骨粗鬆症、リウマチ、歯周病などの生活習慣病の発症機構解明、病態解析および治療薬開発を遺伝子、分子、細胞ならびに生体レベルで推進する。
稲田 全規遺伝子改変技術を駆使した分子細胞生物学的なアプローチにより、コラーゲンの産生と分解に関連する多彩な生体現象を解析する。特に遺伝子欠損マウスを用い、関連疾患の発症機構を病態生化学的に解明する。
太田 善浩イメージングシステムを用いたオルガネラ活性の新規計測法の開発とその応用を行う。現在のテーマは、アポトーシス、細胞内Ca2+信号、活性酸素発生等に関わる蛋白質の生理機能とその機能発現メカニズムの解明である。
池袋 一典新規DNA認識素子を設計・合成するために、進化の過程を模倣した手法を用いてDNA結合タンパク質を改変することを試みる。またDNA分子自体を分子認識素子として利用するDNAアプタマーの開発研究を行う。
小関 良宏遺伝子操作及び培養細胞技術を用いて、植物細胞の持つ有用機能の発現制御メカニズムを解析し、有用物質生産などの工学的応用について研究を行う。
山田 晃世高等植物が進化的に獲得した多種多様な環境ストレス耐用機構を細胞、タンパク質、遺伝子レベルで解明し、その工学的応用に関する研究を行う。


バイオビジネス

担当教員研究内容
早出 広司
(協力教員)
糖尿病をはじめとする生活習慣病バイオセンシング分子の開発、神経変性疾患関連蛋白質の抗凝集線維化技術の開発を通して新たなバイオビジネスの基盤技術を開発する。
津川 若子新規バイオビジネス創出をめざし生命分子診断の原理、新規バイオデバイスの開発をめざす。

応用生物工学

担当教員研究内容
松永 是マリンバイオテクノロジー、バイオエレクトロニクス、磁性細菌の利用など生物機能の応用、海洋光合成微生物の遺伝子工学、分子進化に関する研究を行う。
田中 剛磁気微粒子を始めとするナノマテリアルを利用して、有機無機複合材料を創製し、新規バイオセンサ開発へ応用する。また、微細加工技術を利用したバイオセンサのマイクロデバイス化、Lab-On-A-Chip技術開発を推進する。
吉野 知子微生物を用いた新規バイオマテリアルの創製、特に遺伝子融合技術による機能性の高いバイオナノ磁性粒子の作製とそれらを用いたバイオセンサの開発を行う。
大野 弘幸蛋白質ハイブリッドの合成、機能評価、イオン液体やイオン伝導性高分子固体の開発、伝導挙動の解析、ならびに生体機能物質やそれらのモデルの電子移動反応解析を行う。
中村 暢文新規修飾電極の創製及び評価、新しい複合型分光法の開発、蛋白質ハイブリッドのラマン分光法を用いた構造機能相関の解析を行う。
長澤 和夫有機合成化学手法を基盤とした、がん、エイズ、骨疾患等対にする新しい作用メカニズムによる「くすり」の開発研究を行う。環境調和を目指した新たな有機合成手法、試薬の開発を行う。
桜井 香里ペプチド、糖鎖や天然物生理活性分子をモチーフとした新規機能性分子を創製する方法論を、有機化学とバイオテクノロジーを組み合わせて開発する。さらに得られる機能性分子をツールとして、生命機構を解明するケミカルバイオロジー研究を行う。
新垣 篤史


バイオソサエティ工学

担当教員研究内容
養王田 正文細胞内における蛋白質の一生を司る分子シャペロンの分子構造から機能の解明。バイオレメディエーションによる環境修復に関する微生物とその検出技術の開発、オーダーメード医療を目指した遺伝子解析技術の開発、および蛋白質の高次構造の解析をコンピューターによる動的構造変化の解明を行う。
尾高 雅文生化学、タンパク質化学、構造生物学的手法を駆使して有用なタンパク質の立体構造と反応機構の相関を明らかにする。タンパク質における翻訳後修飾形成機構など酵素の成熟機構に関する研究を行う。

身体運動システム学

担当教員研究内容
百鬼 史訓スポーツ運動のバイオメカニクス的研究及びスポーツ用具に関する工学的研究、硬組織(骨・歯)に関する組織形態学的研究、ならびにスポーツ学習支援ツールの開発を行う。
田中 幸夫作業環境や運動などのストレスによる生体への影響の生理学的手法による解析、環境と人間の適応に関する研究を行う。

人間行動システム学

担当教員研究内容
田中 秀幸ヒトの固体レベルを対象として、知覚-運動制御の脳内メカニズムを運動行動学的に研究する。またその応用として、ヒューマンエラーの防止・予防対策について研究する。

生物言語学

担当教員研究内容
畠山 雄二理論言語学、形式言語学、統語構造、意味構造、情報構造。

環境ゲノム工学(連携分野)

担当教員研究内容
三宅 淳化学物質をはじめとする我々を取り巻く環境に存在する様々な因子が生物に与える影響を細胞のゲノム応答レベルで解析することを目指す。高度に制御された生体分子の相互作用をピコニュートンレベルの微小力測定により解析する技術、単一細胞をナノスケールの超極細針を用いて遺伝子操作する技術など、最新の技術開発を通じて教育研究を行う。
中村 徳幸
中村 史

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