ガス浄化
自動車から排出される一酸化炭素や窒素酸化物などの物質は大気汚染を引き起こすため、以前より排出ガス規制が行われていました。また、溶剤や燃料として使用されるトルエンやホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)も、健康被害を引き起こす問題があるために、2004年から大気汚染防止法により規制が行われています。
現在、これらの物質は貴金属の触媒を用いて無害化してから排出されています。貴金属は様々な用途があり、今後さらに高価になることが予想されます。

そこで本研究室では、貴金属の触媒に代わる、鉄や炭素などを使った安価な触媒を開発することで、自動車排出ガスやVOCの処理装置のコストを下げることを目指しています。現在、カーボンアロイ触媒に注目して研究を行っています。

カーボンアロイとは、カーボン原子の集合体を主体とした多成分系からなり、それらの構成単位間に物理的・化学的な相互作用を有する材料のことです。ただし、異なる混成軌道を有する炭素は、異なる成分系と考えると定義されています。つまり炭素に他の元素が加わることで相乗的な作用が加わることを示しています。
本研究では触媒中に炭素を導入することで活性が高い触媒を開発することを発見し、さらに長時間の耐久性と耐熱性を目指しています。
