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海外ラボでの研究により昆虫ウイルスの新しい知見を明らかに

Vol.02 2014.04.01
齋藤 康将 茨城県出身

小学生時代に2年間、カナダに住んでいた経験があり、英語で学ぶ環境には抵抗はありませんでした。そんな自分にとって、東京農工大学は、国際交流の機会の宝庫です。
最近では、在籍する連合農学研究科の独自プログラムを利用して、カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)への留学を経験しました。期間は博士課程1年次の10月から1月までの3か月間。語学研修ではなく、現地のラボで共同研究を経験できる有意義なプログラムでした。
私は現在、國見裕久教授の研究室(応用遺伝生態学研究室)で害虫の病原ウイルスの研究をしています。具体的には昆虫ウイルスの遺伝子機能解析や、昆虫ウイルスを化学農薬の代わりに使用し、害虫駆除などに役立てる応用的な研究に取り組んでいます。

UC Davisでは、昆虫ホルモンの研究を行うラボに訪問研究員として在籍。私の研究対象である昆虫ウイルスに感染した個体のホルモンについて詳しく調べることができました。UC Davisは世界トップクラスの農学研究の拠点で日本ではなかなか揃わない高度な実験設備が充実していました。また、普段行っている実験をより効率よく行う方法も学べました。逆に、自分の専門分野について現地の学生から熱心に質問を受けることも。農工大の研究は世界レベルなのだと実感でき、自信が持てましたね。

その他にも修士課程時代にはアルゼンチンや韓国での国際学会を経験。博士課程に入ってからも農工大のイノベーション推進機構の学生支援プログラムを利用して、トルコで行われた研究ワークショップに参加しました。 今年(2014年)の夏は、ドイツで開催される国際学会に参加する予定。UC Davisでの研究成果をしっかり論文に盛り込むつもりです。さらにこの学会で私はウイルス研究分野の学生代表に選ばれ、各国の学生との連絡を任されています。世界トップクラスの研究者との交流はいつも刺激に満ちています。

英語を習得し、留学や海外での共同研究を経験することで、確実に知識の幅は広がります。これからは、どんどん外へ出て行って、さらに高度な知識や技術を身につけて、農工大の研究室にフィードバックするような意識が必要です。 私もチャンスがあれば、また訪問研究員として海外のラボ生活を経験してみたい。そして、将来は農薬分野のグローバル企業で学生時代に身につけたスキルを試したいと思っています。

プロフィール

齋藤 康将

学部(農学部応用生物科学科)、修士(農学府生物制御科学専攻)とも東京農工大学にて卒業し、現在も農工大大学院連合農学研究科 生物生産科学専攻 博士課程の2年生である。専門は農業害虫の病原ウイルスの研究。小学生時代にカナダで生活した経験があり、英語は堪能。在学中に留学や国際学会の参加を数多く経験している。茨城県出身、現在25歳

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