活動報告

2010年11月FOLENSセミナー:10月COP10-CBD訪問フォローアップ/12月炭焼・里山ワークショップ プレビュー

11月のFOLENSセミナーでは、10月のFOLENSセミナーのレビュー及び12月のFOLENSセミナーのプレビューを行いました。

10月のFOLENSセミナーとして実施した「生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)(名古屋)訪問」に関するレビューとして、まずFOLENSの古市特任准教授がまとめを行いました。名古屋CBD-COP10訪問の目的を改めて説明し、訪問時の活動を概観した上で、会議自体の結果としては、名古屋プロトコール(生物遺伝資源の利用と利益配分に関する議定書)の採択、愛知ターゲット(2011年以降2020年まで達成すべき生物多様性に関する世界目標)の採択、IPBES(生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)の設立勧告などの重要な進展を成し遂げたことが説明されました。こうした歴史的とも言える進展が見られたことから、会議に関しては大筋で成功したと言えるのではないかとの見解が示されました。

続いて、学生各グループがそれぞれ自ら設定した課題に関してレポートの発表を行いました。

グループA:COP10の環境課題における国際機関の役割(ゴビンダ、福家、クイン)

グループB:農業に関わる生物多様性の重要性とその多様性の損出を補う方策(テイン、渡辺、島田)

グループC:生物多様性条約の適用に関する先進国と途上国のアプローチの比較

グループD:先進国と途上国の遺伝資源の利用に対する立場の調査

それぞれの発表の後には多くの質問が寄せられ、非常に活発な議論が展開されました。訪問を通じて得られた経験や知識が内部化され自発的な学びへと発展している様子が垣間見られました。同時に、CBD-COP10訪問の3日間は履修生同士や教員と履修生が深く知り合う時間にもなったようです。CBD-COP10を訪問し経験するという今回のセミナーは、2010年度のFOLENSセミナーの中でも鍵となる活動となったように感じられました。

セミナー後半は、12月のFOLENSセミナー「東京農工大学津久井フィールドミュージアム(神奈川県)訪問:持続的な環境と農業へ向けた炭焼きと里山」の概要と関連情報が、FOLENSの尾崎特任助教から概説されました。セミナーの目的は、炭焼きの原理と方法、炭の環境面での利用、炭焼きを含めた日本の農村景観・社会(それらの変化を含める)の背景としての里山、について理解を深めるとともに、アジア、アフリカ地域で共通する問題への応用について考えることにあります。炭焼きの原理や生産技術の概略、津久井フィールドミュージアムの様子、海外(ベトナム)における炭焼き普及活動の実例、などについてスライドにより説明がありました。12月のFOLENSセミナーは、第2回FOLENS国際シンポジウム、農学府講義「国際環境農学特論2(アジア・アフリカ環境問題特論)」、及びJICA集団研修「アジア・アフリカ荒廃地植生回復」との共催で、12月6日(月)に実施される予定です。(tf)

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