FOLENSとは | メッセージ
東京農工大学 学長 松永 是(まつなが ただし)
2010年4月、東京農工大学は環境リーダー育成センターの運営によって「アジア・アフリカ現地立脚型環境リーダー育成プログラム」を開講しました。「持続発展可能な社会の実現」に向けた課題解決のための科学技術の進展と人材育成に努めるという本学の基本理念の『人材育成』に力点を置いた先進的な取り組みです。現在人類が抱えている環境、エネルギー、食糧等の危機的諸問題は非常に複雑に絡み合っていて簡単に解決できるものではありません。農学と工学という2つの柱だけでなくその融合領域に常に挑戦的に取り組みグローバルに研究を推進してきた本学は、それらを解決するために有効な対策を提言及び実現するオピニオンリーダーを育成するのに最適な環境であると言えます。環境保全に関する知識や技術を幅広く学ぶ英語での講義、実践的な技術習得のための実習、海外でのフィールドワークやインターンシップ等、多角的且つ国際的、そして何より現地の実情に基づいた現場環境センスを獲得することに重点を置いた本プログラムは、日本では他に例を見ないものであり、これからも更に多くの海外拠点との連携を進め、柔軟に新たな取り組みに挑戦しながら、美しい未来づくりに貢献できる人材を育てるために力を尽くしてまいりたいと思います。
東京農工大学 農学部環境資源科学科 教授
環境リーダー育成センター センター長
高田 秀重(たかだ ひでしげ)
フィールドに根ざしたリーダーの育成をめざす
「現場百ぺん」。これは新聞記者や刑事の言葉で、現場に何回も通い五感を持って現場を理解し、問題の本質を把握し問題解決のヒントを得る、ということです。この現場主義は環境の研究や環境対策の立案にも通じるものです。我々が育成したい環境リーダーは、現場環境のセンスを持ったリーダーです。現場に通い、環境を正確に観測・分析し、現地の人との対話や共同作業を通して現場の問題を吸い上げることのできる人材が、環境問題の解決には不可欠です。我々のプログラムでは、環境計測実習、海外フィールド実習、ポストフィールド報告会、インターンシップ等の実践的な教育プログラムを通して、現場環境のセンスを持ったリーダーの育成をめざしています。