活動報告
2010年藤枝実習(秋) 収穫体験と村の秋祭
参加学生レポート:Govinda Narayan Timilsina
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その日はあいにくの雨でした。かつて10月10日といえば晴れの特異日でしたが、昨年もこの企画の日は雨だったそうです。「この中に雨男、雨女がいるに違いない」と企画の代表者は冗談を言います。確かに望まない雨に直面して頻繁に言われることですが、しかし気候変動の世紀である21世紀の現在では、「長引く日本の夏」と言う方がより良く説明するのかもしれません。また30年後に今回の雨について改めて考えてみたいと思います。
FOLENSの教員と学生は、東京農工大学国際環境農学専攻の野外実習に参加する形で、10月9日に静岡県藤枝市の有機無農薬農家を訪れました。FOLENSでは有機無農薬農業と日本の山間部での小規模農業をを学びに、今年6月にもこの有機無農薬農家を訪れています。今回の訪問は、6月に田植えをした田での稲刈り、地元の秋祭り、及び地元で採れた収穫物の加工体験を目的として実施されました。朝のうちは雨も弱く、田植えをした約0.5haの田の約半分で稲を刈り取ることが出来ました。午後は次第に雨足も強くなりましたが、地元の神社の社で伝統踊りが披露されました。小学校の子供から経験をつんだお爺さんまでが出演した踊りは、笛と鼓の音と共に、典型的な日本の農村の秋の情景を醸し出していました。踊りを見学した後もひどい雨は降り続いていましたが、我々は大きな母屋に戻り、日本の芋を加工する作業を体験しました。手続きを踏めばコンニャク芋の扱いは比較的容易でしたが、自然薯の摩り下ろしには時間と労力が必要でした。
今回の秋の企画には我々だけではなく藤枝市をはじめ、静岡県下や他県の都市にお住まいの方々も多く参加をされていました。これは藤枝の若手農家グループの皆さんの活動的で誠実、しかも親しみのある人柄に惹かれて集まっているのだろうと感じられました。「あいにくの雨」は結局のところ、そうした藤枝の若手農家グループの皆さんと話をする時間を増やしました。「恵みの雨」というそうです。(tf)