活動報告

2011年11月 FOLENSセミナー :
「持続可能なエネルギー戦略」現地訪問事前セミナー~地域からのエネルギーシフト
ISEP山下主任研究員による講義   世界、日本、そしてそれぞれの自国の
ISEP山下主任研究員による講義
「地域からのエネルギーシフト」
 

世界、日本、そしてそれぞれの自国の
エネルギー事情について考える

11月のFOLENSセミナーを、16日(水)、小金井キャンパスにて実施しました。今年度11~1月はテーマを「持続可能なエネルギー戦略:エネルギーの地産地消へ向けた地方コミュニティーの挑戦」と定め、11月に事前講義、12月に現地訪問、1月にディスカッションを実施します。4月・5月のセミナーで「今年度学びたい・議論したいテーマ」について参加者全員で話し合った際、「エネルギー」が今年度最大テーマと決定したことにより、計画されました。背景には、3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故によって、エネルギーのあり方を考える・見直す必要性を突き付けられた厳しい現実があります。
今回は実習前の事前講義として、環境政策エネルギー研究所(ISEP)主任研究員の山下紀明氏をお招きしました。ISEPは、政府や産業界から独立した第三者機関として2000年に設立され、持続可能なエネルギー政策の実現へ向けた活動を展開するNPOです。原発事故後、エネルギー政策が喫緊の課題として認識される中、メディア等を通じ、確かな理念と実践に根差したメッセージを発し続けています。
講義のタイトルは「地域からのエネルギーシフト」。エネルギー問題を考える際の枠組や、国内外におけるエネルギーの現状、さらに今後のエネルギーシフトの展望について解説していただきました。再生可能エネルギーに関して現在日本はかなり遅れをとっていること、再生可能エネルギーを地域レベルで活用していく取組が今後非常に重要であること、既にいくつかの優れた取組が各地で生まれていること、また、そうした取組が広がるためには強いリーダーシップに加え、市民の参画と多様な関係者の協働、技術や供給側の都合でなく需要にもとづく政策が必要であること等、今後持続可能なアジア・アフリカを各地域から実現していくうえで重要なヒントをたくさんいただきました。
参加した学生からは、自然エネルギーの実用化に対する不安や、自国における再生可能エネルギーの活用状況をふりかえる発言などがありました。
12月は、海外協力大学の教員も参加し、長野県飯田市・伊那市における様々な地産地消型エネルギー普及の取組を見学し、関係者からお話を伺う予定です。今回の講義による学びや疑問から、学生一人一人の考えが広がり深められることが期待されます。(SN)

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