活動報告

2012年1月 FOLENSセミナー :「持続可能なエネルギー戦略」現地訪問事後セミナー~ふりかえり・関連研究発表・ディスカッション
「ローカライゼーションは持続可能なエネルギー戦略へのカギか?」をテーマに利点・課題を書き出した

FOLENS新年会を兼ねたディスカッションタイム

学生自身の研究とエネルギーとの関連について発表

2012年が明けて初めてのFOLENSセミナーは、前回12月、「エネルギーの地産地消へ向けた地方コミュニティーの挑戦」をテーマに実施した長野県飯田・伊那市訪問の事後セミナーとして行いました。参加学生6名と少数でしたが、密度の濃い話し合いが持たれました。

飯田・伊那市訪問の内容をスライドでふりかえり、参加しなかった学生と経験を共有した後、各学生より、自身の研究テーマとエネルギーとの関連について、発表がありました。環境資源物質科学専攻の周東さんからは、日本の森林問題と、間伐材等をバイオマス資源として活用することの意味や可能性について報告されました。次に、国際環境農学専攻のAntonioさんからは、自国モザンビーク南部で放牧による土壌や植生への影響に関する事例研究に取り組んでいることが報告され、野焼きの問題を解決する手段として植物のバイオマス資源活用が考えられること、また家畜の糞尿をエネルギー源として活用するアイディアについて説明がありました。また、同じく国際環境農学専攻のWin Winさんからは、地熱ヒートポンプの利用により発生する熱が土壌へどのような影響を与えるか、自身の研究で取り組んでいる調査について紹介がありました。それぞれの発表には、学生教員双方から活発な質問が出されましたが、やり取りの中で、エネルギー問題を考えるためには様々な視点や研究的取組が必要であること、それぞれの研究はエネルギー問題という大きな枠組みでとらえるとほんの一部に過ぎず、常に多様な研究領域や現場での動きに関心をもって取り組んでいくことが重要であることが確認できたことは、特に有意義であったかと思います。

最後に、FOLENS新年会も兼ねて皆でお茶とお菓子を囲みつつ、ディスカッション。「ローカライゼーション(エネルギーの地産地消)は持続可能なエネルギー戦略へのカギか?」をテーマに、利点・難点を出し合いました。利点として、「各地域や用途に適したエネルギー源を活用できる」「多額の投資を必要としない~地域で所有できる」「輸送の無駄が省ける」「地域社会の雇用・収入を創出できる」「自分たちのエネルギー使用への意識が高まる」「環境負荷が小さい」「柔軟な運用や方針転換が可能」といった点が挙げられ、また難点や課題として「需要供給のバランスがとれるかどうか」「小規模ゆえの非効率性」「政府・法の規制」「地域住民の意識向上が必要」「場合よっては環境負荷が集中的に起こることもあり得る」といった点が出されました。少人数で短時間ながら、こうした論点が次々と挙がったのは、11月からの連続セミナーを通じて、エネルギーの地産地消に関する意識や考えが深まり広がった成果でしょう。ここからはそれぞれが、多様な視点と共通の関心を大切にしながら、エネルギーの方向性について考え、行動していかねばなりません。(SN)

日時  2012年1月11日(水)16:00-18:30
場所 府中キャンパス、本館21号室
参加者 学生6名、教員3名

プログラム

1) 12月現地訪問のふりかえり(スライド)

2)自身の研究とエネルギー問題の関連について学生発表

3)グループディスカッション:「ローカライゼーション(エネルギーの地産地消)は持続可能なエネルギー戦略へのカギか?」

4) ミニ新年会!  






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