立体の新応用
立体映像を用いると、2 次元映像では考えられなかった新技術が実現できる可能性があります。本研究室では、立体映像による新しい価値の創造を求めて、さまざまな研究にチャレンジしています。
【全周立体表示】
従来のディスプレイの利用形態は、直立したスクリーンを真正面から見る形がほとんどです。立体ディスプレイはスクリーンから離れた位置に映像を表示できるため、様々な利用形態が可能になります。本研究室では、テーブル上に表示した立体映像を全周から見る全周立体ディスプレイの研究開発を行っています。
【質感再現】
本研究室で研究している超多眼表示や高密度指向性表示では、光線を詳細に制御できるため、物体表面での光の反射、屈折、拡散を忠実に再現できます。そのため、輝き、透明感、柔らかさなどの物質のもつ質感を再現することができます。このような質感再現性を立体表示がもつ優れた特徴のひとつであると考え、主成分分析などの手法を用いて評価を行っています。
【自動車用HUD】
カーナビなどの運転支援情報を、フロントガラス越しに実際の風景に重ねて、同じ奥行に表示できれば、運転者の負担を大幅に低減できます。超多眼表示を用いると、立体像と実物の正確な重畳表示が実現できます。本研究は、株式会社デンソー基礎研究所との共同研究として実施しました。
【超大画面立体表示】
超大画面の立体表示がメガネなしで実現できれば、観察者に圧倒的な迫力と臨場感を提供できます。これを実現するために、3 次元ピクセルモジュールについて研究を行いました。コンサート会場やテレビスタジオで利用されている大画面 2 次元表示は、LEDをピクセルとするLEDモジュールを縦横に組み合わせて実現しています。3 次元ピクセルモジュールは、液晶パネルとレンズアレイで構成します。