●水田生態系における放射性セシウムの動態解明
土壌中のセシウム(Cs)を吸収させるためには土壌交換性カリウムを低く維持する必要があること,また,ヒマワリが高いカリウム吸収能を持つこと,さらに幾つかの品種のソルガムが高いCs吸収能力を持つことが示されている。そこで,ヒマワリ栽培により土壌交換性カリウムを低下させ,ソルガムを後作に栽培することにより放射性Csを吸収除去する方法を検討している 2年間の栽培で土壌のカリウム供給力は減少しつつある。。
福島県農業総合センターの調査で、可給態カリウムが25mgK2O/100g土壌存在すれば、作物への放射性Csの移行は大きく抑制されることが分かってきた。安全・安心な作物生産のためには、それぞれの耕地土がどの程度の可給態カリウムを有しているか知ることは必要である。福島県二本松市東和地区の農耕地には、花崗岩起源の褐色森林土や火山灰起源の黒ボク土など母材が異なる土壌があり、畑地や水田などのように異なった地目で利用されていて、それぞれに可給態カリウムのレベルが異なると考えられる。そこで、東和地区の土壌の分布を調べ、それらの土壌の可給態カリウム量を評価する。最終的には東和地区農耕地の可給態カリウム供給マップを作成する。
●放射性Csを子実に蓄積しないダイズ・アズキ系統の探索とその育種への利用
2013年5月31日 二本松市中里の大内さんの育苗圃場でダイズとアズキの播種
2013年6月18日 6月末に収穫予定の漬け菜類
沖縄から東北地方までの多種類の品種が有り、時期的に上手く育たない品種もあったが、大部分は生育し、葉の形態が多様な漬け菜類が出現した。H24年度は、栽培した漬け菜類を自然乾燥させたが、時間と労力が非常にかかったので、今年は、東和地区の大野さんが保有しているシイタケ乾燥用の乾燥機を使用させて貰った。解析の結果、品種間で、放射性Csの吸収量に違いがあることが分かってきた。
2013年8月5日 二本松市東和地区の各種畑での土壌調査
2013年10月21日 大野さん水田圃場の水稲の収穫、自然乾燥後、植物体・籾等に分けて放射性Cs測定用のサンプル調整に入る。
福島農業総合センターで、福島県の放射性Cs汚染状況とそれに対する対策の講話を聞く。
NPO法人の海老沢さんと
●読売新聞2013年12月7日版に農工大の活動の一部が紹介される
●ヒマワリとソルガムの組み合わせによるセシウム汚染土壌のリメディエーション
2013年度は、(株)トーホクのご支援で、沖縄から東北までの約70系統の「漬け菜類」の種子を分譲頂き、5月に二本松市の圃場へ移植した。今後、70系統の漬け菜で、放射性Csの移行係数(TF値)がどの様に変わるか調べ、最もTF値が高い品種、最もTF値が低い品種見つける試験を実施中。TF値が低い品種に関しては放射性Csを吸収させない栽培法へ展開を図る。
2013年3月 大槻さんのタバコ乾燥施設にタマネギネットにいれて自然乾燥させたダイズ・アズキのサンプル整理(これら各植物体の放射性Cs測定用試料への調整は2013年度一杯かかりました。)
2013年6月2日 大野さん水田圃場での田植え
2013年4月 二本松市東和地区近辺の桜と菜の花
(学外者) (キーワード)
有馬泰紘(東京農工大 名誉教授) 総合
大山卓爾(新潟大学 教授)
バイオ肥料
齋藤雅典(東北大学 教授)
総合
関本 均(宇都宮大学 教授) 放射能除去
藤原 徹(東京大学 教授) バイオ肥料
平塚和之(横浜国立大学 教授) 植物保護
大野達弘(NPO法人ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会 理事長) 福島・放射能除去
武藤正敏(NPO法人ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会 事務局長) 福島・放射能除去
(学内者)
野村義宏(東京農工大学 教授) 総合
2013年5月22日 二本松市中里の大内さんの圃場等にアブラナ科作物 70品種を移植
2013年9月26日 大野さん水田圃場での水稲生育状況・および一部収穫
●NPO法人「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」と三井物産環境基金の支援を受け、第1回東京農工大による福島農業復興支援プロジェクトの1年目の活動報告発表・交流会を開催
日時:2013年7月27日 場所:二本松市東和文化センター
2013年7月27日 二本松市東和文化センターの報告会の状況
2013年4月22日 二本松市中里の大内さんのハウスでアブラナ科作物 70品種の播種
●アブラナ科作物 56品種の放射性Cs吸収特性
2013年6月1日 大野さん水田圃場での田植え準備
農工大の福島農業復興支援研究を支援して頂いている二本松市東和地区「NPO法人 ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」がある道の駅「ふくしま東和」
(2011年11月21日)
http://www.touwanosato.net/
7月22日の状況
イネの補植
5月30日 田植え前の苗
6月7日 田植え
尾崎先生と学生による水田生態系と山林を繋ぐ河川での放射性Csの調査
パンちゅートラップにかかった野ネズミ
2013年6月16日 二本松市中里の大内さんの水田転換畑圃場でのダイズとアズキの移植
2013年7月28日 現地視察
2013年12月8日 二本松市東和地区の各水田での土壌調査(寒かった・・・)
防草シートにバーナーで移植用の穴をあけている
NPO法人「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」のご支援で設置された試験圃場の説明用の看板
2013年4月23日 二本松東和地区針道の大野さん水田圃場の事前調査
東北農業研究センター福島研究拠点で、村上上席研究員から、放射性Csの農耕地からの除染に関する講話を聞いている。左は2011年の東日本大震災で止まった時計。
放射性Csで汚染された乾燥椎茸やほだ木の説明を行っている「ゆうきの里ふるさとづくり協議会」理事長大野達弘さん
2012年3月18日 二本松市中里の大内さんと、圃場を借りるための土壌調査等
福島県二本松市, 2011年11月21日
活動拠点を提供して頂いている二本松市東和地区羽山の齋藤さん夫妻と学生
2013年9月26日 二本松市中里の大内さんの圃場でのダイズやアズキへタマネギネットをかけ、子実等の飛散を防ぐと共に、一部収穫を開始した。12月前半で全ての植物体を収穫し、大槻さんのタバコ乾燥施設で自然乾燥中である。
2013年7月28日 大野さん水田圃場での水稲生育状況