池袋グループ
研究内容
アプタマーとは特定の分子へ特異的に結合する核酸リガンドであり、当研究室では特定のタンパク質や低分子化合物に強く結合するアプタマーの獲得・改良を行っています。また、このようなアプタマーや酵素を組み合わせたセンサーの開発を行っています。
ヒトのゲノムDNAのメチル化は、がんをはじめとする様々な疾患に関与することがわかっています。当研究室では、DNA認識タンパク質やヒトゲノムに特徴的なDNA構造に着目し、DNAメチル化検出システムの開発および発症前診断への応用を目指しています。
アプタマーを利用するメリットのひとつは、それらのDNA配列を組み合わせたり改良することで様々な機能を持つアプタマーを設計できる点です。この特性を利用し、DNAやRNA配列を設計することで微生物の遺伝子発現制御ツールへの応用にも成功しています。
アルツハイマー病、レビー小体型認知症といった神経変性疾患の原因アミロイド形成タンパク質へ結合するDNAアプタマーを開発し、患者脳組織やアミロイド形成プロセスの解析への応用を目指しています。
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津川グループ
これまでに様々な酵素を用いたバイオセンサーが市販されていますが、当研究室ではそのようなバイオセンサーに利用可能な酵素の探索および開発を行っています。例えば、これまでに乳酸酸化酵素 (LOx) を用いた乳酸センサーが市販されていますが、市販の乳酸センサーでは電子メディエーターと酸素が反応してしまい正しく測定できない可能性がありました。そこで当研究室では、LOxのアミノ酸残基に変異を加えることで酸素との反応性を低減させることに成功しています。
当研究室で開発しているFAD依存型グルコース脱水素酵素 (FADGDH)は、溶存酸素の影響を受けず、電極への直接電子移動能を持ちます。そこで当研究室では、本酵素を針状電極に固定して皮下へ差し込むことで、連続血糖測定が可能なデバイスを開発しています。
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浅野グループ
過去の研究内容
現在の研究内容
異なる2種の分子間を架橋可能な人工抗体である低分子二重特異性抗体は、特にがん治療分野での利用が期待されいます。しかしながら、医薬品として認可された実績もありますが、未だ世界で1件のみに留まっていて、その要因として効率的な調製技術が未整備であることが挙げられます。そこで低分子二重特異性抗体の医薬品開発を加速させるための製造技術開発を網羅的な構造改変や次世代微生物宿主の検討などの観点から行っています。
医療応用を目指した高機能な新規人工抗体のデザインと機能評価、さらには関連技術の開発を行っています。具体的には、がん治療を主目的に種々の抗体断片を組み合わせた多重特異性抗体の開発などを他機関と連携して進めています。また、体内を循環中は副作用が低く、一方でがん組織に送達後は、より高活性な分子へと構造変換するような人工抗体の新規プロドラッグデザインの開発も進めています。さらにより高機能な分子の創成に繋げるための定量解析技術や実用化促進技術の開発メカニズム解析も併せて行っています。
血中疾患マーカーを中心に高感度・簡便・迅速な検出を目指した新規バイオセンサーの開発を行っています。電気化学検出が迅速化に適しており、検出手法として汎用されているELISA法に於いても電極応答が可能な酸化還元酵素で検出抗体を修飾することで電気化学検出が可能となりますが、検出抗体の均一な酵素標識や、捕捉抗体の均一な電極固定が課題となっています。そこで組換え技術を駆使して、これらの解決や汎用的な抗体酸化還元酵素複合体の調製法の開発に取り組んでいます。
高効率かつ不可逆的な核酸共有結合タンパク質を文献情報からスクリーニングし、タンパク質間連結モジュールと組み合わせることで、任意の核酸とタンパク質を連結可能なDNA-タンパク質間共有結合パッチを開発しました。実際に、標的を認識する核酸アプタマーと酸化還元酵素を複合体化させることに成功し、センシング素子として有用であることを示しました。現在は、抗体等と組み合わせた、さらに魅力的な次世代ライフサイエンスツールの開発を目指しています。