学内教育
学芸員課程
「学芸員」資格とは、博物館における専門的職員および、その職に就くための国家資格のことで、東京農工大学では、学芸員課程の単位を大学在学中に修得すれば大学卒業と同時に学芸員の資格を得られます。
科学博物館では、学芸員課程実施のコーディネートを行うと共に、最終科目に当たる「博物館実習」を開講しています。近年需要が高まりつつある科学的知識を持った学芸員の育成を理系大学として目指すと共に、理論のみならず博物館の現場での実習を通じて専門的技能と柔軟な思考の体得を図っています。
技術革新学
平成14年度に開講した工学部学科共通科目「技術革新学」を、平成16年度より科学博物館が担当しています。技術革新学とは、失われつつある産業遺産の保存を図ると共に、産業技術を培ってきた先人達の経験を系統的に継承し、体系化して更なる技術革新に役立てることを目的とする研究です。
当館には、繊維に関する道具から機械に至るまで系統的に揃っているだけでなく、伝統的な技術や、繊維機械の操作・維持の方法が支援団体によって受け継がれており、モノの所蔵と共に、ヒトによる「わざ」と「知恵」が伝えられている点で、技術革新学の学習に最適な環境にあります。更に、他の産業系博物館への見学や、第一線で活躍された元技術者の方の講義を交えて、様々な分野の技術革新について学びます。
工学基礎実験
科学博物館が主に展示を行っている繊維は、近代日本を支えた当時最大の産業分野であり、その技術は現在の科学技術の基礎となっています。ものづくりの精神や技術革新のノウハウ、産業の栄枯盛衰の歴史など、理系大学で科学技術や産業界での活躍を目指す学生にとって、分野を問わず学ぶべき要素が多々あります。
入学初期の段階で、東京農工大学の歴史を知ってもらうと共に、過去から学ぶことを体感させること目的として、平成24年度より初年次教育として「工学基礎実験」の1コマで科学博物館の見学・レポート課題を実施しています。