亀田研究室における卒業研究の進め方を見ていきましょう.
亀田研究室に卒論生として配属されると, まず,2月下旬に,複数のテーマの中から自分が卒論で手がけたいテーマを選びます. 亀田研の場合,一つのテーマに大学院生1人,4年生1人というのが基本的なチーム構成です.
4月から7月までは,卒業研究を自主的に行うための準備期間に充てています. 各チームに配属された4年生は, 大学院生の指導を受けながら, これまでの研究結果の概要や, 実験装置の扱い方,また, 研究を進めるに当たって必要となる知識(英語,流体力学など)を学んでいきます.
学んだことがらを, 1ヶ月に1回程度の割合で研究室メンバーに向けて発表してもらっています. また,卒論生,大学院生を問わず, 全員が分担して自主的に英語文献を探して, メンバーに説明することも行います. 人に何かを説明する力は,どんな分野に進むにしても重要ですが, 研究室に入るまでは,あまり鍛えられるチャンスがないように思っています. 卒業研究前半の最重点強化項目でしょう.
8月後半になると,いよいよ卒論として手がける研究課題を具体的に決定します. ペアになっている大学院生が手がけている研究課題と 全く同じ課題を手がけることはあまりありません. 大部分の卒論生は, 自分独自のテーマを持って研究を進めることになります.
9月に行われる卒論中間発表を経て, 10月から1月までが卒業研究のピークとなります. この時期のがんばり次第で,研究成果の成否が決まります.
2月になると,これまで行ってきた研究結果をもとに,卒論を執筆していきます. 卒論のような長い(1000字詰めで50枚程度)文章を書くのは, 大部分の人にとって初めての経験でしょう. また,科学技術論文では,簡潔で誰が読んでもわかりやすい, ということが強く求められます. 卒論執筆を通じて,論文の適切な構成方法や明解な文章の書き方を学びます.
以上のような流れで研究を進めて行くわけですが, 日常生活を含めた具体的な研究の進め方は, 学生個人の自主性に任されています. 研究会や輪講といった正式な行事を除けば,あとの時間の使い方は自由です. 私は,研究室の学生たちに対して, ”時間を自由に使って, 「自分の頭から新しいことを生み出せ」「自分を良く知れ」” と言い続けています. 自分なりの規律を持って生活し, 創造力,客観性を身に付けるよう努力してくれれば, 必ず結果はついて来る,私は思っています.
亀田研究室に配属された学生は, 研究室の自由で明るい雰囲気を気に入っていると思います. また,自主的な研究活動を通じて, 新しいことを自分で発見する喜びを知っていくでしょう. 亀田研究室では,卒論,修論での研究活動を踏まえて, 学生諸君が成長することを最大の目標にしています.