体験談

「ラボステージ」CASE1

クラスステージを修了し、ラボステージに進んだ参加者たちは、東京農工大学の研究室に所属し、個別の課題研究に取り組みます。ラボステージに参加した先輩たちは、どのような体験をしたのでしょう?

DNAに関する先端研究に取り組みたい!
個別研究を通じて将来の夢が見つかった

神村優葵さん

東京都立多摩科学技術高等学校3年
(2018年度GIYSEプログラム参加)

ラボステージについて

ラボステージでは、どのような研究に取り組みましたか?

ナノポアと呼ばれる最新の一分子計測法を利用し、高度なDNA検出実験を行いました。遺伝子解析で主に用いられるPCR装置は、DNAを増幅させて、解析を行うのに対し、ナノポア計測では、ラベルフリーかつ電気的なDNA検出ができます。研究室では、ラムダDNAという試料を用いた実験にも挑戦。高校生レベルでは、決して体験できない高度な実験に取り組むことができ、たくさんの気づきを得ることができました。

大学生レベルの本格的な実験に挑戦

大学生と一緒に研究室での実験を経験して発見したことは?

高校1年生の時点では、研究室の生活というのは、想像もできなかったので、すべてが発見でした。まず、大学院生の皆さんは、ほぼ1日中研究室にいます。これには単純に驚きましたね。大学生になったら本格的な研究をやりたいと思っていたので、「こういう生活なのか」とイメージができるようになりました。また、高校で取り組む研究は、ある程度「何のために」という理由を先生から提示されていますが、大学生の研究は「何もないところからのスタート」です。つまり、「何のために」より先に「興味がある」「気になる」という理由で実験をスタートし、自ら道を切り拓いていく姿勢が必要だと思いました。

研究室では大学生の先輩が丁寧にアドバイスをしてくれる

GIYSEプログラムに参加してどのような力が身につきましたか?

測定のための実験デバイスをつくったり、試料をつくったりという実験の基礎スキルを鍛えることができたと思います。大学入学前にこれを経験できたのは、大きいと思います。また、ラボステージ参加者全員で、ポスター発表にも挑戦しました。海外での発表に備え、英語ポスターの制作も経験することができ、実験だけでなく、アウトプットの訓練もできました。

ナノポアシーケンサーを用いた計測に用いる実験デバイスも自ら作製した
クラスステージについて

GIYSEプログラムを知ったきっかけは?

高校でチラシを見つけて、応募しました。高校1年次から本格的な実験に挑戦できるプログラムと聞いて、「自分にちょうどいい」と思いました。通っている多摩科学技術高等学校は、生徒一人ひとりがテーマを持って研究に取り組むカリキュラムなので、GIYSEプログラムの研究と両立できるか悩みましたが、なんとかやり遂げることができました。

クラスステージで印象に残ったことは?

英語でのディスカッションに挑戦したことです。理系なのに、英語を話せる参加者が多く、自分の英語力の低さにびっくりで……。英語もしっかり勉強しようと思いました。また、本格的な研究をしたいと考えている同世代の高校生と交流でき、大きな刺激になりました。1泊2日のプログラムでは、たくさん友達もでき、その後も受験の情報交換などをしています。

GIYSEプログラム専用の実験ノートもつくった
将来について

大学進学のイメージは変わりましたか?

GIYSEプログラムに参加する前は、理系進学は決まっていましたが、理学部と工学部の違いもわかりませんでした。ラボステージを終えた今は、その違いも理解でき、改めて手を動かす実験をたくさんできそうな工学部進学が自分に向いていると考えています。さらに、今までは学部・学科レベルで大学を見ていましたが、本来は「自分がやりたいこと」、つまり研究室や研究テーマで大学を選ぶべきであることもわかってきました。

お世話になった工学部生命工学科川野研究室のメンバーと一緒に

将来の夢を教えてください。

将来の夢は、DNAに関する研究に携わることです。ITとバイオテクノロジーを融合した領域の先端研究に取り組める大学を慎重に選びたいと思います。GIYSEプログラムでの経験を将来の研究に活かしたいです!