プロセス制御

スラリー混合槽の非線形固形分比制御と実装のための簡略化

混合プロセスはプロセス産業において,主要な工程の一つである.混合プロセスでは各成分の均一性,ならびにマテリアルバランス調整すなわち濃度制御が単位操作の要の技術をなす.本論文で取り上げる混合プロセスは,粉体状の固形分と液体を連続的に混合させて,一定濃度のスラリーを作るプロセスである.当該プロセスにおいては,固形分比のみならず調整槽液面も同時に制御する必要がある.両者を制御量として固形分と液体の各供給流量を操作端とする当該プロセスは,相互干渉のある動的非線形特性を持つため,特にスタートアップ時などの …

Sampled-data I-P Controller Design for Integrating Process Based on Model Predictive Control Theory

This paper proposes a practical sampled-data I?P controller design for integrating processes. The controller struc-ture, derived from model predictive control theory, is a simple I?P controller. Application to predictive functional …

モデル予測制御に基づく積分プロセスのサンプルI-P制御設計

モデル予測制御理論に基づいた積分プロセスに対するサンプルI-Pコントローラの設計方法を提案した.導出された本コントローラの構造は比例先行型のI-P制御の単純な形式に帰結した.この方法はPFC(Predictive Functional Control)にも応用可能である.本制御則は,その導出において積分プロセスモデルをモデル予測制御の基本的な形態である1段予測の形式で表現することで得られる.本提案手法ではコントローラの比例項は制御量変化を止め,積分項は目標値への収束速度を決める役割を担う.またパ …

ARXモデルを使用したモデル予測制御

本論文は,線形ダイナミックモデルにインクリメンタル形式の自己回帰移動平均モデル(ARXモデル)を使用した線形モデル予測制御を提案する.このモデルを使用したモデル予測制御はプロセス産業の制御システムを構築する上で問題になる未測定外乱に対して,ロバスト性が高い制御を実現できる.現在までに提案されている多くのモデル予測制御は,未測定外乱に対して,非線形モデル予測制御を適用する,または,未測定外乱推定を行いその推定値をモデル予測制御のフィードフォワード変数として取り扱い対応を行ってきた.提案するモデル予 …

充填層における熱物性パラメータのオンライン同定

粒子層熱伝導プロセスの温度分布を推定するためには,モデルに含まれる熱物性値を正確に知ることが重要である.本論文では,拡張カルマンフィルタを用いて,オンラインでの熱物性値の同定を行った.モデル式は,有限積分変換により粒子層熱伝導方程式から導出される.状態量とパラメータは,拡張カルマンフィルタにより同時に推定される.提案したパラメータ同定方法は,実験室規模での実験により検討された.観測ノイズとシステムノイズが存在するにも関わらず,数少ない観測値をもとに,拡張カルマンフィルタにより,良好なパラメータ推 …

複数の局所モデルを用いた制御系のコーディネーション法

本論文では,非線形性の強いプロセスに対して,複数の局所制御系をコーディネーションして制御する手法を提案する.提案手法は,プロセスの局所モデルをもとに局所制御系を構築し,これらを並列に配置する.そして,それぞれの局所制御系の算出する局所操作量をアフィン結合してプロセスへの操作量とする.結合係数の決定関数としてソフトマックス関数を用い,調節パラメータを導入することによって,制御性能を調節できるようにした.提案手法を運転条件によって液面高さが変化する連続撹拌槽型反応器(CSTR)の温度制御問題に適用し …

可変グリッド法を用いた触媒充填層反応器におけるホットスポットの推定

触媒充填層反応器におけるホットスポットを高精度かつ効率的に推定する手法の開発を行った.本手法は,可変グリッド法と拡張カルマンフィルタを組み合わせた手法である.一般的な均一グリッドによる推定手法とは異なり,可変グリッド法は状態量の分布に合わせて動的にグリッドを構成することができる.このため,可変グリッド法により偏微分方程式から高精度かつ少ない計算コストで解を得ることができる.触媒充填層反応器を対象としてシミュレーションにより本手法の有用性について検討したところ,均一グリッドを用いた拡張カルマンフィ …

非等温クロマトグラフィーによる多成分ガスの濃縮分離

非等温クロマトグラフィーは,ガス中の複数成分を連続的に分離ができる新しいプロセスである.本プロセスは,温度分布を形成し,それをカラム軸方向に移動することで,温度スイング吸着プロセスの吸脱着の繰返し操作を一つのカラムで連続的に行うのが特徴である.すなわち,温度スイングプロセスとガスクロマトグラフィーを組合せたプロセスになっている.本研究は提案したプロセスの実験室規模の分離装置を作製し,窒素ガス中に含まれる微量のエチレンと二酸化炭素の濃縮分離を行う実験を行い,その有用性を示している.さらに,本プロセ …