めびうす・りんぐ

               綾谷有貴

地図を何となしにながめてて
フト変に思ったことがある
近くにあるのに  あらためて気がついた
環七――環状七号線
実際は輪っかになんてなってないのに。

でもわざと  考えてみた
東京をめぐる大っきな輪っか
・・・どんなに走っても  なぜか外には出られない
入口もなければ出口もない  大っきな輪っか
いつまでたってもおんなじところを  ぐるぐるめぐる
めぐりめぐっても  終わらない
それはあまりにこっけいで  どこかかなしくて
目の前が少しぼやけた


ひとこと・
新井素子の「ひとめあなたに…」を読んだときに、 ほとんど何も考えずにボーッとした感じで考えつきま した。
メビウスの輪――という題材は別に好きなわ けじゃないけど、「永遠」に通じそうな何かがあり そうで題材にはしやすいですね、わりと。


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