「無題」

                 葦規

エンドレス――「私に気づいて。」

落ちていく――。
私の支えが崩れるとき。
笑顔の裏でひび割れた
やさしい像が 私に言う。
泣け。 泣けと。
誰もいない夜空の下で
悲劇を演じる女優のように。
But. それは模造品(イミテーション)

泣きもわめきもしない
群衆の中のただ一人。
堅苦しい常識を背負い
日常に 埋もれてゆく。
終着駅を求めて 求めて
私は
私はどこに――?


6
next prev index