分子内の酸化還元を利用したC(sp3)–H結合官能基化型骨格構築法の開発
医薬・農薬などのファインケミカルの合成には、数多くの工程を必要とするため、多量の廃棄物の副生を余儀なくされてきました。そのため近年、環境調和型プロセスへの需要が急速に高まっています。様々な化合物中に偏在する炭素−水素結合を直接変換する反応(C–H結合官能基化反応)は、その要件を満たす手法として大きな注目を集めています。しかし、これまでに開発されたC–H結合官能基化では、高価格で有毒な遷移金属触媒や、反応後に廃棄物となる酸化剤の使用を要するため、更なる低環境負荷型変換法の開拓が強く望まれていました。
これに対し近年当研究室では、ヒドリド転位を介する分子内での酸化還元系を利用した、酸化剤、またある場合では遷移金属をも必要としない合成手法(「分子内redox型環化反応」)の開発に成功しました。この手法を用いた様々な骨格構築法の開発を目指し、研究を進めています。
新規な触媒種の創生に基づく高選択的合成手法の開発
※準備中