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About

Formula SAE とは、学生によって構成されたチームが、レギュレーションに沿ってフォーミュラスタイルの小型レーシングカーを企画・設計・開発し、 車両の走行性能だけでなく、ものづくりの総合能力を競い合うという活動です。
本活動は、将来の自動車産業を担う技術者育成を目的として、1981 年にアメリカで始まりました。 開発は企画から設計・製作・性能評価までを行い、競技会では走行性能のみならず、製品としての価値や企画としての完成度について、 プロのエンジニアから評価を受けます。この大会は学生の自主的なものづくりの総合能力を養成し、次世代エンジニアの育成とそのための土壌作りの機会となっております。
現在では、アメリカの他に、イギリスやオーストラリア、イタリア、ドイツ、中国など世界各地で同様の競技会が開催されており、 国際的なものづくり活動へと発展いたしました。日本では「全日本学生フォーミュラ大会」が 2003 年より開催されており、 2019 年からは「学生フォーミュラ日本大会」と名称を変更し、毎年開催されております。相互に海外遠征が行われるなど、国際交流も盛んに行われており、
2024 年度大会では中国や台湾、タイ、インドネシア、マレーシアから 9 チームの出場がありました。 また、EV クラスからの参戦チームも増加しており、エンジン車両である ICV クラスに 54 チーム、電動車両である EV クラスに 21 チームがエントリーしました。

車検

本大会に出場するマシンには、設計や安全性について細かなレギュレーションが設定されており、大会当日に厳格な車検が実施されます。 この車検を通過したチームだけが動的審査に進むことが出来ます。

技術車検の様子
チルト試験の様子

技術車検

車両が各種安全・設計要件に則しているか確認する

ドライバー脱出試験

事故が発生した場合を想定して5秒以内に脱出できることを確認する

フラッグ試験

動的審査で使用されるフラッグの意味をドライバーが理解しているか口頭試問形式で確認する

チルト試験

車両45度傾斜で燃料・潤滑油・冷却水の漏れがないか、60度傾斜で車輪の浮き上がりがないか確認する

騒音試験

規定の騒音レベルを満たしているか確認する アイドリング時に103 dB、11,000 rpmで110 dB以下であることが求められる

ブレーキ試験

ブレーキが4輪同時にロックするか確認する

大会審査

大会での審査項目は、マシンの加速性能、旋回性能、耐久性能などの走行に関する動的審査の他、 設計内容をアピールするデザイン審査、製造コストなどに関するコスト審査、製造・販売に関するプレゼンテーションによる審査の3つの静的審査があります。 各審査種目での順位が発表され、それぞれの種目を点数換算した合計 1000 点満点を総合得点とし、2025 年度からは ICV クラス、EV クラスそれぞれで総合順位が発表されます。

動的審査

主にマシンの運動能力を競う種目となります。

アクセラレーション 【配点 100】

直線 0-75 mの加速タイムを競う
ドライバー 2 人が各 2 回、計 4 回走行可能
上位チームのタイムは ICV では 4 秒台前半、EVでは 3 秒台後半

スキッドパッド 【配点 75】

8 の字コース(右 2 周・左 2 周)における旋回タイムを競う
コース幅は 3 mであり、直径 15.25m の 2 つの円から構成される
ドライバー 2 人が各 2 回、計 4 回走行可能
上位チームのタイムは 5 秒台前半

オートクロス 【配点 125】

直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約 844m の特設コースの走行タイムを競う
ドライバー 2 人が各 2 回、計4回走行可能

エンデュランス 【配点 275】

直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約 980m の周回コースの走行タイムを競う
ドライバー 2 名が 10 周ずつ走行し、ドライバー交代も行う
車両の全体性能と信頼性を評価する

エフィシエンシー 【配点 100】

エンデュランス走行における燃料・電力消費量を競う

静的審査

主にマシンの開発能力を競う種目となります。

コスト 【配点 100】

予算とコスト算出は生産活動において、重要な要素であり、車両の製造コストを試算し安さと計算の正確さを競う。
大会前に提出するコストレポートには、全ての部品の図面のほかに、その部品の製造手順を示す書類も含まれる。

デザイン 【配点 150】

マシンの設計を審査員にアピールし、設計技術力を競う。
設計の詳細や経緯を示したデザインブリーフィングの提出と、その資料をもとにオンラインでの口頭審査がある。

プレゼンテーション 【配点 100】

マシン開発企画のプレゼンテーション能力を競う。
車両製作を行う企業という設定のもとで、ビジネスモデルや設計・製作手法を提案する。

各競技の配点
プレゼン審査