若手研究者の自立的研究環境整備促進事業
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プロフィール

桜井 香里
Sakurai Kaori

教育協力分野 工学府 生命工学専攻
メールアドレス sakuraik@cc.tuat.ac.jp
研究分野 生命工学
キーワード ケミカルバイオロジー、生物有機化学
職歴
2002年12月〜2006年02月 博士研究員(Helen Hay Whitney postdoctoral fellow), Department of Chemistry and Chemical Biology, Harvard University(David R. Liu教授)
2006年03月〜08月 研究員, Howard Hughes Medical Institute, Department of Chemistry and Chemical Biology, Harvard University(David R. Liu教授)
2006年09月〜10月 助手、東北大学大学院理学研究科化学専攻
2006年10月〜2007年03月 特任助教授、東京農工大学共生科学技術研究院
2007年04月〜 特任准教授、同上
学歴
1996年03月 東京大学理学部化学科卒業(橘和夫教授)
1996年09月 Department of Chemistry, Princeton University,  大学院入学
2003年06月 Department of Chemistry, Princeton University, Ph.D. in Chemistry 取得(Daniel Kahne教授)
受賞歴
1996年03月 帝人久村奨学金(米国留学のため辞退)
2000年03月 The Merck-Pachett Summer Award
2002年12月 The Helen Hay Whitney Foundation Postdoctoral Fellowship
2005年08月 第五回天然物化学談話会奨励賞
主な論文・解説
Sakurai, K., Schubert, C., Kahne, D. “Crystallographic Analysis of an 8-mer p53 Peptide Analogue Complexed with MDM2” J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 11000-11001.
Sakurai, K., Snyder, T. M., Liu, D. R. “DNA-templated Functional Group Transformations Enable Sequence-Programmed Synthesis Using Small Molecule Reagents” J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 1660-1661.
Sakurai, K., Chung, H. S., Kahne, D. “Use of a Retroinverso p53 Peptide as an Inhibitor of MDM2” J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 16288-16289.
Kanan, M.W., Rozenman, M. M., Sakurai, K., Snyder, T. M., Liu. D. R. “Reaction Discovery Enabled by DNA-Templated Synthesis and In Vitro Selection” Nature 2004, 431, 545-549.
Gildersleeve, J., Smith, A., Sakurai, K., Raghavan, S., Kahne, D. “Scavenging Byproducts in the Sulfoxide Glycosylation Reaction: Application to the Synthesis of Ciclamycin 0” J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 6176-6182.

研究紹介

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脂質分子に糖鎖が結合した「糖脂質」は生命の存在に必要不可欠な細胞膜の重要な構成分子です。糖脂質は100種以上が存在するといわれていますが、その多くの役割は明らかにされていません。糖脂質の特性は、強い自己組織化能にあります。糖脂質は細胞膜上で自己集合によりマイクロドメインと呼ばれるナノメートルサイズの超分子構造を形成し、免疫反応・癌転移・アルツハイマーの原因物質であるアミロイド形成・ウイルス侵入等、様々な細胞プロセスに動的に関与することが、近年の研究で明らかになっています。一方、これらの糖脂質超分子がどのように細胞膜上で時間・空間的に制御されているかはわかっていません。細胞表面糖鎖を含む糖脂質の研究は、その発現が遺伝子に一対一対応していないこと、糖鎖部位が必ずしも単一分子種でなくまた多点相互作用するため、生化学的解析が困難であるなどの難題によって、DNAやタンパク質の研究に比して遅れをとっています。当研究室では、糖脂質の細胞内機能の解明に向けて、有機化学的手法と分子生物学的手法を駆使して糖脂質分子に特異的な認識プローブを創製し、糖脂質分子の発現と動態を直接操作あるいは可視化する効果的な方法論の確立を目指します。汎用性の高い新機能分子探索システムを開発することにより、自己集合体を含む多数の分子種をもつ糖脂質の細胞内構造活性相関を確立する包括的な研究への展開を構想しています。長期的には、このようなケミカルバイオロジー研究を通して、細胞の基礎的プロセスの一般的な理解をさらに深めると共に、癌やアルツハイマーなどの疾患に対する新規機構に基づく治療薬の開発への展望を見出したいと考えています。

本テニュアトラックシステムについて

テニュアトラック制度の導入は、日本のアカデミアから長く離れて教育・研修を受けた私自身のようなキャリアパスをとった者にも、母国での研究職への就職の門戸がより開放されたという意味で、明るいニュースでした。テニュアトラックシステムの最大の魅力は、独立した研究者として学生達とのチームをもって研究に専念できることです。幸運にも本東京農工大学でこのような機会を与えていただきましたので、独自の問題意識に根ざした新しい研究アプローチの開発にチャレンジしたいと考えています。

今後の抱負

現代の生命科学は、分子レベルのミクロな現象から個体レベルのマクロな現象までを総合的に理解する方向へと向かっています。こうした流れの中で生物有機化学・ケミカルバイオロジーの研究を通して、最小単位の言語である原子・分子の特性が生命過程に与える役割を解明し、私たち生命体の多様性の理解につなげたいと考えています。生体分子に集約されている反応性、構造物としての面白さや生物活性として現前する構造の意味を見出すことの素晴らしさを、学生達と共有したいと思います。
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