荒川 泉(ARAKAWA Izumi)
研究紹介
卒業論文:「スギ・ヒノキ放射柔細胞の心材形成に伴う内容物の変化および生体観察に関する研究」地球環境において重要な役割を果たし、木質バイオマスを生産する樹木には、心材形成という特有の生命現象があります。材に耐久性や特有の色、においを付与する心材成分という物質を生合成し堆積させることで形成される心材は、樹木の非常に長い寿命を支える要因の一つとなっています。心材形成には、樹幹の半径方向に長く配列する放射柔細胞という細胞が深く関わっています。私は、この放射柔細胞が形成層で誕生し、心材を形成して死に至る過程において、どのような変化を辿るのかということに興味があり、卒業研究の対象としました。本研究では、放射柔細胞の内容物と生理状態の変化に注目し、スギとヒノキを用いて、細胞内容物の詳細な顕微鏡観察と生体観察手法の検討を行いました。