学科の教育方針と教育内容
地域生態システム学科では、森林と田園や公園、農山村と都市など空間や関係性を一つの連続した「地域として捉え、その地域に広がる生態系や人間の関わりに着目した新しい教育研究を行なっています。
具体的には、野生動物や都市緑地、田園農地、森林緑地、河川などの地域資源や人間の関わりについての基礎的教育をベースに、人と自然が共生し、持続可能な生産・資源管理を行うための計画・設計・管理手法に関する教育、人々が快適に暮らし、持続可能な新しい産業を生み出すためのシステムを発展させる教育を行います。また、近年社会的ニーズの高い、地域における政策立案や環境評価、地域連携・国際協力のあり方などについて総合的に理解し、それぞれの地域で主体的に活躍できる人材の育成を目指しています。
こうした理念を達成するため、関連するさまざまな知識や技術を基本的な素養として身につけて地域社会の中で実際に応用できる能力を開発していくことが本学科の教育目的となります。すなわち、本学科の教育課程は2年次前学期までは学科共通科目を中心に基礎的な専門教育を行い、2年次後学期から学生自身が受講する科目を選択することでその関心や希望する進路に沿って専門的な学習を深められるようにできています。また、3年次からは皆さんが興味を持った教育研究分野を選び、演習や実験・実習などの形で教員の指導による卒業研究を行い、4年次の所定の期日にその成果を発表します。具体的なカリキュラムは学科課程表およびコースツリーを参照してください。
学科の教育と特徴
学科の教育と特徴
- 森林と田園や公園、農村部と都市など空間や関係性を一つの連続した「地域」とする
- その地域に広がる生態系や人間の関わりに着目
具体的には
- 野生生物や都市緑地、田園農地、森林緑地、河川などの地域資源や人間の関わりについての基礎的教育をベース
- 人と自然が共生し、持続可能な資源管理を行うための計画・設計・管理手法に関する教育
- 人々が快適にくらし、持続可能な新しい産業を生み出すためのシステムを発展させる教育
地域生態システム学科の特徴
- 1年次に開講される「地域生態システム学」の授業
- 1年次に行われる「地域生態システム学実習」
- パッケージ・プログラム制
- 最終学年で行う 「特別演習Ⅲ(卒業研究に相当)発表」
2015年度地域生態システム学実習実施予定(変更の可能性あり)
ルート | 担当教員 | 定員 | 実施場所 | テーマ |
---|---|---|---|---|
A | 星野・吉川 | 20 | 奥多摩氷川自然観察フィールドワークキャンプ場 | 自然観察フィールドワーク |
B | 白木・加用・崔・松本 | 35 | FM草木 | 森林のしくみ |
C | 土屋 | 6 | 長野県下伊那郡大鹿村 | 山村を知る |
D | 東城・大里・帖佐 | 15 | 所沢市 | 有機農業農家を訪問し食の安全について学ぶ |
E | 澁澤 | 20 | 生研センター(大宮) | 農業機械の研究最前線 |
F | 渡邊裕純・斎藤・中島・辰己 | 30 | 千葉県内農業整備事業施設および鴨川市周辺 | 棚田実習 |
G | 植竹・下田 | 13 | 長野市 | 限界集落から学ぶこと |
H | 武田・鈴木馨 | 20 | 多摩動物公園 | 動物園で体験する動物行動観察 |
I | 朝岡・土屋 | 15 | 府中市 | 祭りを支えるコミュニティ~神輿を見ずに人を見よ |
J | 梶・星野・小池 | 20 | 栃木県佐野市 | 中山間地域の野生動物管理の現場見学 |
K | 星野・吉川 | 18 | 東京都海道緑地環境保全地域(武蔵村山市) | 雑木林の植物調査と管理 |
L | 戸田 | 20 | 都立野山北・六道山公園 | 里山管理フィールドワーク |
M | 白木 | 12 | 相模原市 | 森林の今を記録する |
N | 島田 | 10 | 福生市、羽村市 | 玉川上水取り入れ口を訪ねる |
O | 加藤・福田(信)・斎藤・向後 | 18 |
茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター および農村工学研究所 |
水・土を通して農業基盤について学ぼう |
P | 辰己 | 12 | 横浜市(JAMSTEC) | 計算機で表現される地球環境 |
Q | 榎本・吉田 | 10 | 東京地方裁判所 | 裁判所の役割を考える |
R | 鈴木馨・武田 | 10 | よこはま動物園・横浜市繁殖センター | 動物園の機能 |
S | 澤 | 15 | 調布市 | 里山保全運動からまちのあり方を考える |
ディプロマポリシー
(1)基礎学力と基礎的なコミュニケーション能力・プレゼンデーション能力の習得
広範囲に及ぶ生命・食料生産・環境に関わる課題に取り組むための幅広い基礎学力を身につけ、異なる文化の人々とも円滑にコミュニケーションができる能力を持っていること。
(2)専門知識の習得と専門研究の理解
森林・農村・都会を連続した地域と捉え、農の営みや自然と人間活動の多様な関係を対象として、自然科学と人文社会科学の協働による地域管理・計画に関する知識を身につけ、食料・生命・資源・環境に関わる世界水準の自然科学・社会科学研究が理解できていること。
(3)分析手法やアプローチ方法・構想力の習得
人類が直面する食料・生命・資源・環境問題等の課題に対して、科学的な解決方法を構想できていること。
(4)社会的責務の認識と倫理性の習得
農林産業および食品・生命科学関連産業の意義と重要性を理解し、高い倫理性を持って、その発展に寄与することをめざした行動ができていること。
地域生態システム学実習
テーマ「有機農業を体験し、食の安全について考える」
テーマ「森のしくみ」
パッケージプログラム制
地域生態システム学科では、パッケージ・プログラム制というカリキュラムを採用しています。
パッケージとは、関係の深い講義科目と実験・実習・演習科目をまとめたものです。本学科では、科目をバラバラに選択するのではなく、パッケージごとにまとめて履修することで、体系的に学修することを基本としています。
さらに、パッケージを組み合わせて一貫した専門カリキュラムにしたものが履修プログラムです。
履修プログラムは、その完成に必須なパッケージ群と、学習の理解を広げる推奨科目群で構成され、大学院の学問分野や教育体系につながる四つの主プログラムと、
複数の学問分野にまたがる複合的課題を地域の視点から考える四つの副プログラムがあります。
指定された要件を満たすと、そのプログラムを修了したと認められ、本学科の卒業と同時にプログラム修了認定証が授与されます。

学科の教育課程
地域生態システム学科の教育課程
農学部全学で共通の教育課程
持続可能な地球のための科学技術(科学史、技術者倫理など)
共生人文社会科学(経済学、歴史学など)
リテラシー(外国語、〔英語・第2外国語〕)科目
スポーツ健康科学科目
自然科学系基礎科目(TATⅠ、TATⅡ)(数学、物理学、化学、生物学、地学 および実験 など)
学科専門科目
学年進行の全体像
