獣医生理学研究室のロゴ

〒183-0054 東京都府中市幸町3-5-8
東京農工大農学部4号館獣医生理学研究室
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 研究室の始まりは、昭和15年(1940年)に当時東京高等農林学校であった本学の前身に、高嶺浩先生(初代教授)が着任した年に遡ります。翌年(昭和16年)より高嶺先生が兵役のため、4年間教官不在となりますが、戦後、高嶺先生が帰還され研究室活動が再開されました。この間、学校名は東京農林専門学校に変わり、次いで昭和24年5月に学制改革により東京農工大学が設立され、現在の獣医学科獣医生理学研究室(旧家畜生理学教室)が発足しました。
 東京農工大学が発足した当時の大学周辺には、多くのウシが飼育されており、高嶺先生はウシを用いた研究を始められ、特にウシの頸管粘液の性状と精子の通過性に関する研究で著名な業績をあげられました。高嶺先生の研究業績は医学界でも婦人の不妊症との関連で注目され、高く評価されました。
 昭和40年には、笹本修司先生(2代目教授)が着任されました。昭和40年頃には、農学部の周辺もかなり宅地化され飼育されている家畜数も減少し、研究材料としてウシを使用するのはもはや困難な状況になっていました。笹本先生は、実験動物(マウスとラット)を使用して雌の卵巣における卵胞発育・排卵のメカニズムといった生殖生理学の基礎的研究を進められ、その研究業績を国際学術雑誌に積極的に紹介し、本学獣医生理学研究室の名が国際的に知られることとなりました。その研究の一つが当研究室の代名詞とも言える「インヒビン」の研究です。
 昭和49年には、田谷一善先生(3代目教授)が着任し、「インヒビン」研究の全盛期を迎えます。笹本修司教授と共に「雌と雄の性腺機能とインヒビン分泌」に関する研究を発展させ、その業績が国際的に認知されると海外の研究者との交流も増えました。さらに田谷一善教授は、「研究の国際化」のみならず「研究室の国際化」を進め、外国人研究者の招聘や留学生の受け入れを積極的に行いました。以来、研究室には常に外国人留学生が在籍し、日本人学生と共に日夜研究に励んでいます。インヒビンの研究と平行して、「泌乳刺激による母親の卵巣機能の抑制」「ストレスと性腺機能」「甲状腺や副腎と性腺機能」などの内分泌学一般に関する研究も進めました。
 昭和57年には、渡辺元先生(4代目教授)が着任し、笹本、田谷両教授と共に「研究の国際化」と「研究室の国際化」を推進されました。渡辺元教授は、神経内分泌学の知識と技術を研究室に導入され、「環境ホルモンが脳の性分化に与える影響」「鳥類の神経内分泌学」などの研究に積極的に取り組んでおります。平成23年には、永岡謙太郎が着任し、生殖内分泌の基礎的研究に加え、乳房炎といった畜産に関する研究も取り入れています。
 研究室の創設以来、使用する動物も実験動物のラット、マウス、ハムスターに加え、霊長類(ニホンザル、チンパンジーなど)、家畜(ウシ、ウマ、ヤギなど)、野生動物(ゾウ、ジュゴン、イルカなど)と範囲が広がりました。実験動物以外は、外部の研究機関と共同研究を積極的に進める事で現在に至っています。

 
笹本元教授   田谷前教授