学内の動き T行事・イベント
◎ 農学部各学科で模擬授業・一日体験教室を開催
◇応用生物科学科
 8月22日(木)、府中キャンパスにおいて、農学部応用生物科学科の体験教室・模擬授業が開催されました。
 当日は、「化学検査で犯人を探せ!」と題した、ルミノール反応による化学発光を使った実験を参加者各自が行い、擬似的な血痕の付いた遺留品の中から偽物と本物を見分けることに挑戦しました。
 続いて、遺伝子組換えにより緑色蛍光タンパク質を発現させた大腸菌や植物を観察しました。いずれの実験においても、標本が蛍光を発する様子を確認すると、参加者から「おーっ!」という驚きの声があがっていました。
 引き続き、佐々木信光学術研究支援総合センター助教による「遺伝子組換え技術と農業」、鈴木絵里子・応用生物科学科助教による「バイオテクノロジーを利用したがん研究とその未来」の模擬授業が行われました。
 蛍光を用いて実際に目で見て確かめられる内容であったことなどから、早くから募集定員に達するなど関心の高さがうかがえました。最終的には、30名を超える中高生が参加し、皆熱心に講義と実験を体験し、大盛況となりました。また、実験や模擬授業が終わった後も、興味を持った内容について積極的に質問をする参加者も見られました。
 
◇地域生態システム学科
 8月22日(木)、府中キャンパスにおいて、地シス夏の模擬授業「震災と地域生態システム学」が開催され、46名が参加しました。
 平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、甚大な直接的被害を関係地域に与える一方で、時間が経つにつれて、人間の撤退にともなう地域の自然の荒廃や生産・社会の衰退といった長期的な取組が必要となる課題を浮かび上がらせています。これらは、まさに地域生態システム学科のコンセプトと密接に関わる問題群であり、本年度の模擬授業の統一テーマは、このことを意識して掲げられました。
 当日は、朝岡幸彦教授(環境教育学)から「震災と環境教育」と題して、飯館村や気仙沼などを事例にして、震災や原発事故を契機に進んだ人間の撤退が地域や地域社会になにをもたらしているのか、そこに環境教育学者がどのようにアクセスしながら「学び」の意味を問い直そうとしているのかについて講義が行われました。
 また、五味高志准教授(流域環境修復保全学)から「流域の森林-渓流生態系と震災」と題して、川と森とのつながりについて、その歴史と枠組みとを、水中昆虫など現物の回覧を交えた説明とともに、森林や河川環境における放射性物質の生物への移行実態を明らかにするために二本松市で行っている分析作業について、報告がありました。
 参加者からは、「いま高校生である私たちができることは?」、「どこまで被災地に関わることが研究者に求められるのか?」といった質問が飛び出し、それに対して各教員が自身の研究に対する覚悟を語るなど、内容の濃い充実した模擬授業となりました。
 
水中昆虫や餌となる落ち葉を
興味深く見入る参加者
参加者の熱心な質問に答える朝岡教授(左)と
五味准教授
 
◇環境資源科学科
 8月24日(土)、府中キャンパスにおいて、「夏休み1日体験教室」が開催されました。
 環境資源科学科の「夏休み1日体験教室」は、本学で研究する機会を提供し、体験することで、多くの高校生に理科への関心を深めてもらうとともに、環境問題や資源問題について深く考えてもらうことも目的としています。
 当日参加した約60名の高校生たちは、環境と資源に関わりの深い8つのテーマに分かれて、各担当教員の指導のもと、楽しくも真剣に実験・実習に取り組みました。
 参加した高校生からは、「大学での実験というのがどういう感じか分かっておもしろかった」、「知らないことがたくさんあってびっくりした」、「研究の楽しさが実感できた」といった内容に関する感想や、「大学生や大学院の学生さんと話ができてうれしかった」、「とても丁寧に説明をしてくれてわかりやすかった」、「東京農工大学の雰囲気がよく分かって興味を持つようになった」といった当日の雰囲気に関する感想も寄せられ、非常に有意義な体験教室となりました。
 
バクテリアを顕微鏡で観察する高校生
多摩川での水質測定の様子
 

◇生物生産学科(予定)
 11月9日(土)、10(日)、府中キャンパスにおいて、生物生産学科の説明会、体験教室を予定しています。詳細は生物生産学科のホームページをご覧ください。
 
 
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