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◎ 新年賀詞交歓会を開催
 1月7日(月)、50周年記念ホールにおいて、学長、理事、監事、部局長、評議員のほか、多数の教職員の出席のもと、平成25年新年賀詞交歓会が開催され、学長から教職員に対し、年頭の挨拶が行われました。
    
年頭挨拶をする松永学長
 
【松永学長 年頭挨拶】
 皆様、新年おめでとうございます。

 例年ですと、年末に来年度予算の政府案がまとまり、本学の運営費交付金等の予算額が明らかになりますが、総選挙が行われ政権が交代したために未だ予算案が確定していない状態です。

 昨年は、大変財政状況が厳しい中、教職員の皆様の努力のおかげで本学の建物整備やプロジェクトの採択が行われました。府中キャンパスでは、6号館と学務部棟の耐震改修が終わりました。小金井キャンパスでは、科学博物館をリニューアルオープンすることができました。また、念願であった博士課程教育リーディングプログラムに採択されました。農工融合によるグリーン・クリーン食料生産を支える実践科学リーディング大学院の創設を目指したプログラムで、7年間で30億円以上の経費をかけて5年一貫の大学院教育を行い、博士人材を企業に送り出す計画です。
 また、若手人材育成の一環であるテニュアトラック制度の導入も定着し、運営費交付金でもテニュアトラックの准教授や助教の採用が行われてきました。この中から7名の優秀な研究者が個人選抜型のテニュアトラックとして採用されました。これらの研究者はスタートアップの研究資金に加え5年間にわたり人件費や研究費のサポートを受けることになりました。

 教育・研究も順調に進み、学部の入学志願者の減少、深刻な就職問題、博士課程の定員充足率の低下などの問題も本学ではありません。4月には、岩手大学との共同獣医学科がスタートしました。また、11月にペアレンツ・デーを全学で初めて実施し非常に多くの保護者に出席をいただきました。本学の重要なステークホルダーである学生の保護者に、教育・研究の現場をご覧いただき意見を交換することができました。第2期の中期目標・計画に掲げている科研費を毎年一人一件以上申請するという計画も順調に達成されています。今後は大型の科研費に挑戦したり、採択率を上げることに力を入れていきたいと思っております。

 一方で、東日本大震災の復興のために給与削減を実施いたしました。また、国家公務員の退職手当の改正法案が国会で可決され、これを受け、本学においても実施することといたしました。教員の研究費や業務経費をこれ以上削減することができない状況であるためと御理解いただければと思っております。

 現在、国立大学法人は第2期中期目標期間に入っておりますが、更にそれぞれの分野で、ミッションの再定義が求められております。本年度は、工学、医学、教育の分野でそれぞれの大学においてミッションの再定義が行われ、来年度は、農学を含むそれ以外の分野で行われます。東京農工大学は、使命志向型教育研究を基本理念に掲げ、持続発展可能な社会の実現を目指しています。 農学系と工学系からなるユニークな国立大学法人として、安心で安全な社会の構築や新産業の展開・創出に貢献しうる教育研究活動を行っております。ミッションの再定義でも、農学のある工学系、工学のある農学系であることを強調していきたいと考えております。学部から博士課程まで9年一貫して今後イノベーションを担える人材を育てることを目標にしていきたいと思います。このため産業との連携を更に強める予定です。また、教育研究にあたる教員の人事制度改革やテニュアトラック制度を進めていくとともに、女性教員の積極的採用も継続していきます。これまでの海外からの留学生の受入れに加え、大学院生やポスドクを中心として海外への派遣を通じたグローバル人材の育成も、重要な課題と捉えております。

 最後に、今年が東京農工大学にとって新たな発展の年となることを祈念し、かつ、教職員の皆様におかれましても素晴らしい一年となることを祈り、私の年頭の挨拶とさせていただきます。
 
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