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◎ 英国NewCastle大学のEvelyne Sernagor博士によるセミナーを開催
 11月17日(火)、小金井キャンパス中央棟5階大会議室において、英国New Castle大学で網膜電気生理の研究をされているEvelyne Sernagor博士のセミナーが開催されました。沖縄科学技術研究基盤整備機構で脳と行動機構の研究をされているFiona Randall博士とともに、網膜発生機構、および網膜障害治療に向けた基盤研究の最新情報を紹介されました。
 Sernagor博士からは、電気生理および光学計測法など、多面的な実験手法を利用し、胎仔期の網膜発生期に見られる自発性のカルシウム・オシレーション現象を両生類モデルで捉え、神経伝達物質GABA、および、ホメオボックス遺伝子による網膜神経ネットワーク形成機構の説明がありました。 
 また、発表後半では、網膜障害の新しい治療戦略、人工網膜移植システムの開発を導く、カーボン・ナノ・チューブを利用した神経基板の研究へと話題が展開し、これまでの同様な基板材料に比べ、本素材の細胞親和性と導電性における優位点が示され、半導体チップ技術と、網膜発生研究との融合による視覚機能再生への一つの道筋を示されました。
 当日は、学生や府中キャンパスから参加した教員など、数十名が聴講し、活発な質疑に、Sernagor博士の網膜再生治療実現への熱い想いが込もった応答が交わされました。続く親睦会では、学生達とも和やかに交流し、本学の整備された環境も称えられつつ、再訪問が誓われました。
 
 
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