「1st International Workshop on Tip Based-Nanofabrication (TBN2008)」で
工学府学生がPosterAward を受賞

 10月19日(日)から21日(火)にかけて台湾・台北市で開催された「1st International Workshop on Tip Based-Nanofabrication (TBN2008)」において、工学府電気電子工学専攻博士前期課程1年(白樫研究室) の豊福 貴士さんが、Poster Awardを受賞しました。
 本国際会議はNational Science Council, Taiwan ROCとNational Taiwan University of Science and Technologyの主催で、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を利用したナノスケール加工技術の最近の成果の披露と、原子・分子操作を利用した究極的なSPM加工技術を目指した今後の技術展開を俯瞰することを目的として初めて開催されました。会議には10カ国以上から150名を超える参加者が集い、厳選された60件の成果発表がありました。Poster Awardはポスター発表30件の中から選出され、受賞論文は「10 Micrometer-Scale SPM Local Oxidation Lithography」と題され、SPMを用いたナノスケールデバイス作製技術の発展の一助となるものです。


 研究成果の詳細
 一般に、SPMによる局所酸化法を用いて単電子トランジスタなどのナノスケールデバイスの作製を行う際には、デバイス間の素子分離領域やチャネル部の電流狭窄構造など、μm級の広範囲領域に渡るデバイス構造体の形成が必要とされています。数nmの曲率半径を有するSPM探針を用いた従来型の局所酸化法では、一回の加工で10-100 nm級の構造体を形成できますが、μm級の構造体を作製するにはSPM探針の小ささ故に膨大な加工時間が必要となり、素子作製スループットの低下が問題となっていました。
 本研究では、先端サイズがμm級の独自のSPM探針を新たに提案・作製し、ナノスケールデバイスの作製スループットを従来比で1000倍以上に向上させることに成功しました。これより、マイクロスケール領域からナノスケール領域までを連続的に取り扱うことが可能となるSPM加工技術の開発に成功しました。
 
 
【受賞に寄せて】 工学府電気電子工学専攻博士前期課程1年
豊福貴士
 記念すべき第1回目の会議開催時にすばらしい賞を頂くことができ、大変光栄に思っております。私が受賞できたのも、研究をご指導いただいた白樫先生、博士後期課程2年の西村さん、そして白樫研究室の皆様のお力添えがあったおかげです。この場をお借りして深く御礼申し上げます。
  
 
 
  
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