第2回モノづくり連携大賞で、
技術経営研究科 亀山秀雄教授がNEDO賞を受賞

 本学専門職大学院技術経営研究科の亀山秀雄教授が、第2回モノづくり連携大賞(日刊工業新聞社主催NEDO共催)において「アルマイト触媒製造と環境・エネルギー事業への応用」でNEDO賞を受賞し、第4回産学官技術交流フェアー(11月28日(水)〜11月30日(金)、東京ビックサイトにて開催)内で、表彰を受けました。
 
 モノづくり連携大賞は、「モノづくり技術の実用化を念頭に置いた、産学官連携手法の優れた取り組みをたたえるもので、審査項目として連携経緯、市場性、社会貢献性、地域性など特筆すべき点の4つを明示しておこなった」(審査委員長小宮山宏東大総長講評より)と言われるように、新しい連携の成功例をビジネスモデルとして取り上げて、広く普及させることを目的としているものです。

 56件の候補事例から産学官の主導的立場にある7名の委員による選考が行なわれ、本学の取り組みが「特殊なアルマイト触媒と、これを使った化学物質分解や燃料電池・バイオエタノールの改質反応の装置を手掛ける。東京農工大学と同大発ベンチャーで、研究員として留学生など研究室の学生が、経営サポート人材として大学OBが加わる」という2点で評価され、東京農工大学、株式会社アルマイト触媒研究所、株式会社アルキャットの連携が選ばれました。

 今回評価された農工大のビジネスモデルは、大学の基礎研究の成果を社会に出すために、この2つのベンチャー企業に加えて、農工大OBが組織する産学連携を支援するための中間法人AT-Netzとも技術、人、経営、事業の面で有機的に連携し、大学の使命である教育と研究と社会貢献を行うものです。また、大学院生が自分の研究で得た知識と技術を活用して研究開発型の企業で事業化研究の仕事を行い、企業で行う研究開発を体験できるとともに、その仕事で収入を得ることができるので、私費留学生が生活の糧を得る場を提供している点でも評価されています。

 アルマイト触媒は、亀山教授が本学で25年間かけて研究した成果によるもので、VOC分解、脱臭、NOx分解、オゾン発生など環境技術や燃料電池用の各種燃料からの水素製造、触媒燃焼、化学ヒートポンプなどエネルギー変換技術など幅広い応用が期待できるため、多くの企業がそれぞれの利用目的で本学で共同研究を行っています。その研究に実際携わるのも大学院の学生やポスドクです。これからの大学院教育は、実践的な教育面も求められており、産学官連携が研究だけでなく教育面にも効果を見せているモデルです。 


 なお本大賞では、工学府中川正樹教授が「古文書を読むための電子くずし字辞典の開発」で特別賞を受賞しています。
 
 株式会社アルマイト触媒研究所、株式会社アルキャットは、農工大学発ベンチャーとしてそれぞれ平成16年と平成13年に本学のインキュベーション施設内を本社として設立し、亀山研究室の卒業生が社長(トラン タン フォン氏)や取締役(山本泰宏氏)として主体的に経営している研究開発型とエンジニアリング型の2つのタイプのベンチャー企業で、本学オリジナルのアルマイト触媒の実用化研究と環境装置の設計製造販売を行っています。
  
  
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