◎ 平成19年度 公開講座を開催

「実習で学ぶ農業教室17 -発酵食品の科学-」
 - 6月30日(土)〜7月28日(土) -
 6月30日から7月28日にかけて毎土曜日に5週連続で開講し、29名の参加がありました。例年は講義とその実習をセットにしておりましたが、今年度は講義のみの日を1回設定し実施しました。

 講義は竹内道雄 広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター長が「たべものと微生物」と題して、微生物の基礎から日本の伝統食品、バイオテクノロジーにいたるまで、わかりやすく解説しました。発酵食品に興味があったから応募したという受講生が多く、発酵バター、ヨーグルト、キムチ作りの実習に熱心に取り組んでいました。
 アンケート結果は、大いに満足が14名、満足が9名という内訳でした。アンケートに記された開講希望テーマを考慮し、今後、さらなる充実を図りたいと考えております。
<発酵バター製造の実習風景> <白菜キムチの漬け込み> <修了式>
   
 
「子供身近な動物教室」
 - 7月14日(土) -
 公開講座「子供身近な動物教室」が、7月14日(土)、農学部構内で開催されました。広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)野生動物保護管理分野の鈴木 馨 分野長が担当し、FSセンターの野生動物保護活動の紹介、保護動物の観察、動物と命の大切さを話し、飼育動物との触れ合いなどを実施しました。
 当日は、悪天候にもかかわらず、参加者は子供35名、保護者等31名の大盛況で、実物の観察や触れ合い体験を取り入れたこともあって受講者に大変好評でした。
 本講座は、昨年度は工学部附属繊維博物館の「子供科学教室」で開催でしたが、本年度は本学の公開講座として実施しました。
 子供に対する教育活動は手ごたえが大きくやりがいがあります。内容充実の研究に努め、今後もできるだけ多くの要望にこたえて行きたいと思います。
 
  
 
「理科教員のための遺伝子組換え実験教育研修会」
 −7月26日(木)〜27日(金)−
 本研修会は、「教育目的組換えDNA実験」のガイドラインが文部科学省で制定された平成13年度に、筑波大学遺伝子実験センターと東京農工大学遺伝子実験施設が全国の国立大学遺伝子実験施設に先駆けて開催したものです。今年は第7回研修会を開催し、これまでに延べ140人の受講生に修了証を発行しました。

 参加者は関東を中心とした中学・高等学校の教諭がほとんどで、毎年定員を超えた応募者があり、教育現場での組換え実験導入の広がりを示しています。
 研修プログラムは、リテラシーとしての遺伝子教育を目標としてアメリカで開発された教材キットを利用したもので、バイオ専門学校講師(本学非常勤講師)、現職高校教諭、他大学教員等の外部講師陣による多面的な講義と実習には、法令の知識から遺伝子研究の最先端までが含まれており、参加者のほとんどが予想以上のレベルの高さに満足しています。
 
 1日目はヒートショック法で大腸菌にプラスミドDNAを導入するという基本的な実験ですが、プラスミドにはオワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質の遺伝子が含まれており、2日目に観察する大腸菌コロニーが紫外線ランプの下で美しい緑色の蛍光を放つのは感動的です。中学や高校の授業では、生徒がこの実験に強く印象を受けるものと思われます。現場の教師は仕事に追われながらも、積極的に本実習を取り入れようと模索しているようすで、受講者にとって大変有意義な研修会となりました。
 
 
「野生動物の救護と自然保護」
 - 7月28日(土)〜29日(日) -
 公開講座「野生動物の救護と自然保護」が、7月28日(土)および29日(日)の2日間にわたり、農学部構内で開催されました。広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)野生動物保護管理分野の中垣和英客員教授と鈴木 馨 分野長のほか、地域生態システム学科の梶 光一教授および武田庄平准教授の協力を得て実施しました。

 野生動物救護とリハビリテーション・介護の講習、わが国の野生動物保護管理・自然保護の解説、動物園の役割りやFSセンターの野生動物保護活動の紹介などで、実習を取り入れたこともあって受講者に好評でした。首都圏だけでなく遠方からの参加者もあり、熱心な質疑応答があって大変盛況でした。

 この野生動物関係の講座は毎年開催していますが、毎回定員を上回る申し込みがあります。高校生など若い希望者の割合が非常に大きいことも特徴です。来年以降も研究を重ねながら内容の充実に努め、できるだけ多くの要望にこたえて行きたいと思います。
  
  
「子どもインターネット教室2007」
 - 8月4日(土)〜6日(月) -
 初日は、総合情報メディアセンターPC教室で、子供達に分かりやすいよう寸劇を交えた「インターネット安全教室」、小金井市立図書館職員による「ホームページを使った小金井市立図書館の使い方」および「googleの使い方」の講習を行いました。参加者は、小・中学生30人で、保護者も含めると52名でした。
 
 2日目・3日目は会場を図書館に移し、それぞれホームページを作成しました。子どもの参加は欠席もあり28名でしたが、ボランティアを含めたスタッフは59名、延べ3日間で129人を数えました。今回初めてPCをiMac、Web作成ソフトはiWebを使って実施しました。慣れないMacでの操作でしたが、スタッフの事前の準備もあり、マンツーマン以上の指導で力作が完成しました。特に環境問題に取り組んだページは大人も考えさせる作品でした。最後に合評会を行い、自作のパラパラアニメなどに歓声があがっていました。

 子ども達の作品は、こちらからご覧ください。
   http://www.biblio.tuat.ac.jp/event/kids2007/links/2007index.html
 
<インターネット安全教室> <ホームぺージ作り> <合評会>
 
 参加者の保護者から寄せられた感想をご紹介します。
 初日には親も一緒にネット使用の注意事項を学ぶことができて、今後、家庭でPCを利用するにあたって、家族で気をつけられます。
 2・3日目のHP作成はとても楽しく参加できたようです。学校の宿題の自由研究として、猫の写真集を作る予定で撮っていた猫の写真を利用することができ、よかったです。また、たくさんのスタッフの方がいて、手厚く指導していただき、ありがとうございます。
 机上の勉強は好きではない子どもですが、市報のお知らせを私が見つけてたずねたところ、「行きたい!から申し込みをして」と積極的な態度でした。(定員にならないうちに、申し込み初日の0時00分にメールしてというお願いの手紙と目覚まし時計を私は渡されました。)
 親子ともに期待以上の講座でした。さっそく友人のお子さん(今は小2)にも紹介しました。今後ともこの講座が続き、多くの子供達が学習できることを願います。
 農工大学の近くに住んでいますが、今までキャンパスに入ることもめったにありませんでした。この講座をとおして、気持ち的にも大学が近く感じられました。
 大学のますますのご発展をお祈りします。他のスタッフの皆様にも、よろしくお伝え下さい。
  
   
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