◎ 平成18年度 公開講座を開催

「遺伝子操作トレーニングコース」
 −9月13日(水)〜9月15日(金)−
 本コースは、初心者を対象として、実習を通じて遺伝子操作の基礎を学んでいただくもので、遺伝子実験施設の設置当初より公開講座として実施しています。参加者は大学教員や民間企業の研究開発担当者が多く、社会人を対象としたリカレント教育として評判が高いもので、本学卒業生からの応募もあります。

 実習内容は、DNAを制限酵素で切断してプラスミドベクターに結合させ、大腸菌に導入してコロニーを観察します。次に、コロニーの菌体からDNAを抽出し、PCR法で目的のDNAがクローニングされていることを確認します。関連の講義を含めて、遺伝子実験施設の専任教員が全てのプログラムを担当しています。

 参加者の中には、DNAを扱う実験に憧れつつも、これまで手法を学ぶ機会に恵まれなかった方が多く、3日間で基本技術をきっちり体験できたことに満足した様子でした。昼休みなどの雑談を通じて、初心者同士の情報ネットワークもできあがり、参加者がそれぞれの職場に遺伝子組換え技術を生かせる日も近いものと思われます。
  
 
「野生動物の救護と自然復帰」
 −9月23日(土)〜9月24日(日)
 9月23日(土)および24日(日)の2日間にわたり、農学部構内において「野生動物の救護と自然復帰」を開催しました。広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター(FSセンター)野生動物保護管理分野の鈴木 馨分野長と中垣和英客員教授のほか、地域生態システム学科 神崎伸夫助教授および武田庄平助教授の協力を得て実施しました。
 
 野生動物救護・動物福祉とリハビリテーション・自然復帰の講習、国内外の野生動物保護管理の解説、FSセンターの野生動物保護活動の紹介を行い、実習を取り入れたこともあり参加者に好評でした。首都圏だけでなく遠方からの参加者もあり、熱心な質疑応答があって大変盛況でした。
 この野生動物関係の講座は毎年開催していますが、例年予定定員を上回る申し込みがあります。高校生など若い希望者の割合が非常に大きいことも特徴で、来年以降も研究を重ねながら内容の充実に努め、できるだけ多くの要望にこたえて行きたいと思います。 
 
 
 
 
「先端機器による生体成分の分析」
 −10月11日(水)− 
 10月11日(水)14:00〜17:00に「先端機器による生体成分の分析」(生物システム応用科学府担当)を実施しました。座学だけでなく、受講者が実験に参加して、先端機器(原子吸光光度計、DNA増幅機、ガスクロマトグラフ・質量分析計、電気泳動装置など)に触れてもらうことで、分析を自分のものにしてほしいとの願いから、定員を15名としました。
 
 当日の参加者は13名で、機器によっては、いくつかのグループに分かれて、実験に加わりました。はじめは多少とも遠慮がみられましたが、実験が進むにつれて打ち解けあい、お互いに助け合う姿がみられるようになりました。
 このような公開講座を今後も希望する声が寄せられ、さらに工夫を凝らした公開講座を計画することでこの声に答えたいと思います。
 
 
  
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