Materials and Processing

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Metamaterial Processing by Coffee Ring Effect

要素と全体の関係は原子・分子に限らず空間にも限定されない

 

材料開発の際には,原子・分子の集団構造として特性を予測・設計することがあります.また,無機・有機を問わず結晶成長の分野では,流体中の溶質分子または原子が,より高純度な構造をより効率的に形成するための方法が研究開発されています.最近では,原子より大きい粒子を単位にして新たな機能を持つメタマテリアルを開発する研究も盛んです.

 

そのプロセス技術には,溶液中に分散させた微粒子群を,溶媒の乾燥などによって固体基板上に所望の条件を満たす形に集積させる方法があります(Science, vol.325, 159 (2009)).私達も過去にプロセス技術を開発したことがありますが,自己組織化を初め微粒子群の集積では自由エネルギーが現象を左右します(Jpn. J. Appl. Phys., vol.50, 065201 (2011)).

 

そして,Coffee Ring効果を初めとしてBrown運動と流体力学的な流れが共存する場合,両者の相対的な関係によって結果が左右されます.非平衡状態特有のメカニズムがカギになる場合もあるため,物質と条件次第で多様な現象が報告されています.長期的には,熱揺らぎを考慮した熱力学により,メタマテリアルの設計指針が明確になると私達は考えています.

 

金属材料の開発などでは相図を考えながらプロセス設計が行われたりしますが,ある意味これは熱力学的に設計を行っていると言えます.もちろん,熱力学はカルノーの時代から熱機関の機能設計にも駆使されてきました.従来と異なる機能性を追究するメタマテリアルの研究では,プロセス設計に加え機能設計でも,熱力学を駆使する余地が広がってくると考えられます.

 

というのも,近年イオン液体などの研究が本格化しており,私達はメタマテリアル研究でも流動性のある物質を用いた機能性追究が盛んになると考えています.すると,電子だけでなく原子・分子レベルのダイナミクスが機能発現に直結するので,私達の熱揺らぎを扱う応用力学は,環境・エネルギー方面のイノベーションでも重要な役割を果たすでしょう.



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