農工祭始まりました!

農学部キャンパスでは紅葉が見ごろを迎えています。秋晴れの中、学園祭が始まりました。


本日11/10(金)、11/11(土)、11/12(日)の3日間、農工祭 in 農学部を開催いたします。
https://sites.google.com/site/2017tuatnokofestival/

普段、まじめに研究・授業に取り組んでいる農工大生の、
裏の顔(?)素の顔(?)をご覧いただけることと思います。

各研究室やサークルが出店している、模擬店やステージなどを楽しんでいただくのはもちろん、
受験生・高校生のみなさんに、有益な情報を提供できそうなイベントも盛りだくさんです。

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・受験生相談
農工大受験を経験したての1年生が来場者の方の不安・悩み・ご質問等お受けいたします。
受験勉強の仕方や各学科の講義、行事やサークル活動など……
受験に関係ないことでもお気軽に!

ホームページで調べただけではわからない農工大生の生の声を聴くことができます。
この機会にぜひお越しください!
https://sites.google.com/site/2017tuatnokofestival/ibento-qi-hua/te-bie-qi-hua


この連休は良いお天気がつづきそうです!
ぜひお越しください!

セシウム‐137汚染に関する定例福島調査: 汚染の時系列的解明をめざす

放射性セシウムによる環境汚染の問題は、2011年の原発事故以来、日本で最大の環境問題であるといえます。
私たちも、この問題に取り組んでいます。とくに私たちは水域への流入について調査をしています。


写真は、堰提のバックウォーター底に堆積した泥を柱状に採取したものです。
これを筒から押し出しながら1cmずつスライスし、各層を分析します。
そうすると、水の流れによって堆積状況はいくぶんの撹乱を受けているかもしれませんが、
過去から現在にかけての汚染のトレンドがわかるはずです。

Cs-137濃度が顕著に認められ始めるのは1954年、極大になるのが1963年と言われています。
そして、表層付近でCs-137レベルが最大となるならば、それは2011年でしょう。
1954年と1963年は、大気圏内核実験によるCs-137のグローバルフォールアウトを反映したもので、
2011年は福島第一原発事故によるものであることはいうまでもありません。

各層において、どのような人為起源汚染物質がどれだけ含まれるかを把握し、
推定される年代と照合して検討すれば、汚染物質の環境動態や汚染レベルの長期的トレンドを推測できます。
そして、当時の環境規制が有効であったか、今後における環境問題への対処はどうしたらよいか、
これらを考える大きなヒントが得られます。



2017.7.6 大学教育センター 尾崎 宏和

痛いコメント

実験をしてデータを出して、考察結果をまとめます。でも科学は、そこでは終わりません。
その実験や調査の意義を説明しながら、成果を公表することが大切です。
そうでないと、世の中のためになりませんね。


科学においては、成果は論文として学術雑誌に公表されます。
私たち科学者が論文を学術誌に投稿すると、まずはえらい?先生のところに回され、その先生から指摘を受けます。
そのコメントを参考にして修正し、また見てもらってOKをもらったら、学術雑誌に載せてくれます。


たまに、痛いコメントを受けます。今回の私がそうです。ちょっと、再測定が必要になりました。
意外と、容器を洗ったり、試薬をそろえたり、準備がなかなか大変ですが、少しずつ外堀から埋めていきます。
進捗状況はまたご報告できればと思います。



大きいボトルは洗浄中。中には希硝酸(HNO3)が入っていてpHは約2。内壁に付着している不要物を溶かしだして除去します。真ん中の小さいのは試料水。水色と黄緑色のラベル付は試薬です。

2017.6.27 大学教育センター 尾崎 宏和

実験作業

以前、学会での発表についてレポートしました。
ところで、発表するには発表の内容が必要ですね。今回は研究の現場の1つをご紹介します。

下の写真は、堆積物試料に含まれる有害金属濃度を測定するために、その前準備をしている様子です。固体の堆積物を強酸で分解して、 測定対象元素を液体に溶かしだす、という作業です。

まず、あらかじめ乾燥させて粉砕し、0.2mmのふるいに通した試料を正確に秤り取ります。



これを分解容器に入れ、硝酸(HNO3)、過塩素酸(HClO4)を加えて150℃ほどに熱した熱板(※1)に乗せ、有機物を二酸化炭素へと完全に分解・除去します。 さらにフッ化水素酸(HF)を加え、アルミノケイ酸成分も溶液化します。



この後これら酸試薬を蒸発させ、5%硝酸溶液としてろ過し、ろ液を分析します。なお酸性雨防止のため、中和機能のついたドラフトチャンバー内でこの作業は行います。



溶液に含まれる元素濃度の測定は機器分析です。誘導結合プラズマイオン源質量分析計というものなどを使います。そして、得られた結果から、環境中での有害元素の存在量と分布を把握し、人間活動の影響を考察していきます。

データを検討していくと、わかったこと、新しい疑問や課題も浮かんできます(※2)。そして、次に取り組まなくてはならないことを考えていきます。


※1・・・理化学用は高価なので、ただの家庭用ホットプレートを使っています。焼肉やお好み焼きなどのできるやつです。だから新品を買ったときにまずやるのは、本来の使い方を約1回はしてあげることです。研究室メンバーはこれも(を)楽しみにして日々実験します!

※2・・・よく、雪だるま式疑問が出てくる、なんて言います。増える速度をちょっと考えてみます。雪だるまは立体です。表面積は身長(腹囲?)の2乗に比例、体積は3乗に比例します。転がった距離が増えた知識だとすれば、未知の外界に接触している部分つまり疑問や課題は、新たな知識量の2乗になりそうです。ちょっと大変に感じます・・・。でも、研究成果がもたらす真の含蓄は、新たな知識の3乗に比例します。だから研究はおもしろいんですね。・・・ちょっと理屈っぽく(いや論理的に)考えてみました。



おまけ:糸魚川の根知谷(ジオパーク)で見つけた地層の露出面。1層1層の年代分析と組成の分析をすれば何かわかるのかもしれませんね。

2017.1.25 大学教育センター 尾崎 宏和

農工大生は学祭も全力投球!

農工祭 in 農学部、はじまりました!


本日11/11(金)、11/12(土)、11/13(日)の3日間、農工祭 in 農学部を開催いたします。
https://sites.google.com/site/tuatfes58/

普段、まじめに研究・授業に取り組んでいる農工大生の、
裏の顔(?)素の顔(?)をご覧いただけることと思います。

各研究室やサークルが出店している、模擬店やステージなどを楽しんでいただくのはもちろん、
受験生・高校生のみなさんに、有益な情報を提供できそうなイベントも盛りだくさんです。

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・受験生相談
農工大受験を経験したての1年生が来場者の方の不安・悩み・ご質問等お受けいたします。
受験勉強の仕方や各学科の講義、行事やサークル活動など……
受験に関係ないことでもお気軽に!

ホームページで調べただけではわからない農工大生の生の声を聴くことができます。
この機会にぜひお越しください!
https://sites.google.com/site/tuatfes58/home/special

・キャンパスハイク
農工大生がキャンパスを案内します!農工大生の生息するキャンパスの中をこの機会に散策してみませんか?
大人向けと子供向けの2コースを用意しています。
https://sites.google.com/site/tuatfes58/home/special

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本日はあいにくの雨ですが、明日・明後日は、晴れの予報ですね。
ぜひお越しください!

2016.11.11 大学教育センター 時岡 寛子

2016年冬のIGS高大連携教室の募集を開始しました!

2016年冬のIGS高大連携教室の募集を開始しました。

12/26(月)~27(火)、1泊2日の日程で、課題に対するグループ討論、Science English、科学実験、農工大生・留学生との交流、課題解決のためのグループによる協働作業、プレゼンテーションなど、多彩なプログラムに取り組んでいただきます。

・科学に関する興味と関心がある
・最先端の研究を担う、研究者・技術者になりたい
・地球の課題を論理的に考え、解決したい
・社会で必要とされる知識や教養を身につけたい

そんな思いを持った高校2年生のみなさま、ご応募お待ちしております!

[詳しくはこちら]
http://web.tuat.ac.jp/~igsprog/page/require.html


2016.10.12 大学教育センター 時岡 寛子

2016年度秋のオープンキャンパス ~研究室大公開~

11月12日(土)、小金井キャンパスで、オープンキャンパスを開催します。
当日は、興味のある研究室を自由に見学していただけます。

受付時間: 12:15~16:30
公開時間: 13:00~17:00
入退場自由(受付で案内マップを受け取って、自由に見学して下さい。)

また、学科ごとの説明会も開催します。
工学部への進学を希望する受験生の方、(既卒者、保護者、高校の先生、塾・予備校関係者、OB・OGの方も歓迎です)是非お越しください!

参加を希望する場合は、事前のお申込みが必要です。
詳しくは、こちら をご覧ください。

IGS夏の高大連携教室に向けてのミーティング

昨日、夏の高大連携教室を手伝ってくれる学生たちと、打ち合わせを行いました。



グループワークでは、 現役農工大生がファシリテーターとなり、皆さんのディスカッションをサポートします。
彼らの所属学科・専攻は、物理システム工学専攻、生命工学専攻、応用生命化学専攻、食料エネルギーシステム科学専攻、生物機能システム科学専攻、機械システム工学専攻、応用化学専攻、応用生物科学科・・と、様々です。

今回は1日限りで、タイトなスケジュールではありますが、大学生活のこと、研究のこと、趣味のことなど、是非いろいろと聞いてみてください!

2016.08.04 大学教育センター 時岡 寛子

カブトムシの群がる木

昨日ある方に教えていただいた、学内のカブトムシスポットを、早速覗いてみました。



噂通り、たくさんのカブトムシが集まっています。
しばらく観察していると、樹液をめぐる壮絶な争いが始まりました・・



カブトムシ界に『レディーファースト』という概念はないようで、
樹液を独り占めしたいオスは、大きな角を巧みに使い、次々とメスを持ち上げ、投げていました。
なかなかの亭主(?)関白っぷりです・・

キャンパス内で昆虫の観察をするのは楽しいですが、農工大には信じられない大きさの蚊が生息していますので、
虫よけスプレーなど、虫対策を忘れずに・・

2016.07.28 大学教育センター 時岡 寛子

学生生活紹介冊子、完成しました!

オープンキャンパスや学科説明会でも配布しておりますので、既にご覧になった方もいるかと思いますが、2016年度版「学生生活紹介冊子」が完成しました。



学生生活紹介冊子は、在学生の目線で、農工大の魅力を伝える冊子です。
大学案内では紹介しきれないディープな農工大の魅力を、未来の後輩へ伝える目的で作成しています。

右綴じの表紙から農学部、
左綴じの表紙から工学部。



それぞれの「味」が出ていて、とてもおもしろい内容になっています。

今後も、学科説明会などで配布する予定です。
是非、手に取ってご覧ください!

2016.07.19 大学教育センター 時岡 寛子

学会への参加、最近3つ

5月から6月にかけて、3つの学会に参加し、発表や運営の仕事をさせてもらいました。

学会とは、共通の専門分野の人達が集まり、研究成果の発表や情報の交換をする団体です。学会は、通常、定期的に学術論文誌を発行し、研究発表会を開催します。研究発表会では、自分の研究成果を発表し、他の研究者の発表から勉強できますし、議論を通じて人脈の交流も図ることができます。研究仲間を増やしたり、著名な先生に知り合えたりする機会ですね。

高校生のみなさんも、大学生・大学院生になると、専門分野の学会に参加して、発表して質疑を受けたり、他の人の発表を聴講して議論に参加したりすることになると思います。

私は、研究は環境汚染解析をやっています。5月末にフランス・ナントで開かれたSociety of Environmental Toxicology and Chemistry(The 26th SETAC Europe Annual Meeting )、6月上旬に新潟市での第25回環境化学討論会、それから今週末、これは東京ですが日本環境学会第42回研究発表会への参加と、この5、6月は学会が連続しました。

最初の2つは発表で、道路脇に堆積する砂状物質に高濃度のセシウム-137が蓄積しており、それが原発事故由来の汚染の拡散ルートに完全に合致した地域分布を示すことを報告しました。3つ目の学会は運営する側での参加です。学会は、運営する側も必要ですね。

確かに、発表前は緊張します。フランスでの国際学会では英語です。フランス語でなくてよかったけれど・・・。でも実は、研究発表会はお祭りみたい部分も多く、楽しく議論して、新しい知り合いをつくって、旧友と再会することができます。何より、地元の観光や食事を楽しむのも、もちろんあり。というか半分はこれが目的でしょうか。高校生のみなさんも、近い将来、学会参加をぜひ楽しんでください。

フランスでの写真を数点ご覧ください。

学会会場に掲げられていた討論会の名称

ホテル近く街並みの様子

学会会場前の街並みの様子

学会会場前にあったパン屋さん

おまけ(ヨーロッパアルプス見てきました)

2016.06.24 大学教育センター 尾崎 宏和

2016年夏のIGS高大連携教室の募集を開始しました!

ふたたびアジサイの季節がやってきました。
8号館前のアジサイは満開です。今にも枝からこぼれ落ちそう..



さて、2016年夏のIGS高大連携教室の募集を開始しました。
今回は、広島、東京、富山、福島の4会場で、地球が直面する課題を解決する方法を考える、ワークショップを開催します。(プログラムの内容:科学の課題に関するグループ討論、課題解決のためのグループによる協働作業、プレゼンテーション)

・科学の力で地球の課題を解決したい
・論理的な思考力や幅広い視野を身につけたい
・他校の高校生や大学生とディスカッションしてみたい

そんな思いを持った高校2年生のみなさま、ご応募お待ちしております!

[詳しくはこちら]
http://web.tuat.ac.jp/~igsprog/page/require.html


2016.06.03 大学教育センター 時岡 寛子

東京農工大学 卒業式・修了式

卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます!



お天気に恵まれて、皆さんの笑顔がより一層輝いて見えました。

これからのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。

2016.03.25 大学教育センター 時岡 寛子

元祖? 下衆の極み

昨日、東京農工大学卒業生で広報大使の、ハマカーンの取材に行ってきました。



浜谷さんは工学部電子情報工学科(現在の物理システム工学科)、神田さんは農学部応用生物科学科ご出身です。
撮影した動画は、学科説明会などでご覧いただく予定です。

お楽しみに!

2016.03.16 大学教育センター 時岡 寛子

IGS高大連携教室準備中

皆さまにお送りいただいた応募課題をもとに、班分けを行いました。



今回は、「環境問題」2班、「先端技術」「エネルギー」「ライフサイエンス」「食料問題」の6班に分かれて、グループワークを行います。

1日目に行うグループワークの最初に、応募課題で書いた内容を、グループメンバーに紹介・説明をしていただきます。 グループのメンバーは、一人ひとり注目する問題が異なったり、同じような関心をもっていても解決策の案が異なったりします。 したがって、注目する問題を明確にし、問題となっている原因と現状、どのような方法で解決するか、という3点を対応させて説明することが大切です。

ご提出いただいた応募書類のコピーを、教員からのアドバイスと共にお返ししますので、 応募課題で書いた内容や、それに加えられるアイディアなどを、連携教室前にあらためて整理し、説明の準備をしておいてください。

それでは、当日皆さまにお会いできることを楽しみにしています!
質問があれば、いつでもお気軽にお問合せください。

2016.03.14 大学教育センター 時岡 寛子

IGS春の高大連携教室に向けてのミーティング ②

一昨日と今日、春の高大連携教室を手伝ってくれる学生たちと、打ち合わせを行いました。

3/28午前と3/29午後のグループワークでは、 現役農工大生がファシリテーターとなり、皆さんのディスカッションをサポートします。 彼らの所属学科・専攻は、物理システム工学科、食料エネルギーシステム科学専攻、応用生命化学専攻、生物機能システム科学専攻、物理システム工学専攻、生命工学専攻・・と、様々です。

他班担当の学生にも、学生生活のこと、研究のことなど、いろいろと聞いてみてください!

2016.03.11 大学教育センター 時岡 寛子

がんばれ受験生!

今日は前期入試です。



昨年の春に、IGS高大連携教室でお会いした皆さんは、今まさに、受験真っ只中なのですね。
感慨深いものがあります。

どういった選択をされても、それが最良の選択となりますように。 
がんばれ受験生!!

2016.02.25 大学教育センター 時岡 寛子

IGS春の高大連携教室に向けてのミーティング ①

今日は、春の高大連携教室を手伝ってくれる留学生たちと、打ち合わせを行いました。

農工大では、世界各地からやってきた留学生たちがたくさん学んでいます。
彼らの出身国は、ウズベキスタン、ガーナ、中国、カンボジア、ケニア、ベトナム、ネパール・・
アフリカや東南アジアからの留学生が多いのは、農工大の特徴のひとつかもしれません。

3/28の「留学生との交流」では、彼らの出身国の様子や、いま取り組んでいる研究の話を聞いて、各国の課題や日本との関係を考えます。 関心のある地域や、研究の内容があれば、どんどん質問してください。 日本のことや、皆さんの出身地の紹介もできるといいですね。

スタッフも学生たちも、お会いできる日を楽しみにしています!

2016.02.22 大学教育センター 時岡 寛子

読書のススメ(理系限定)3:「世界でもっとも美しい10の科学実験」

みなさんは「実験」は好きですか?

私は小さいころから、何でも自分で作ってみることが好きで、
今でも電子工作用の“マイ・ハンダごて”を持っているくらいです。
それが高じて、大学では実験、実習のできる理学部地学科を選びました。
そして、卒業、修士研究では、岩石サンプルの物性を測定する実験を行いました。

実験サンプルの岩石は、鉱山の会社にお願いして地下に連れて行ってもらい、 地中の岩石を採集してきます。 (いま話題の「神岡鉱山」の坑道にもぐらせてもらいました) それを直径10~15mm、長さ20mmくらいの円柱に整形し、 その岩石サンプルに10万気圧くらいの圧力をかけて地下の圧力条件に近づけ、 そこに地震波に近い振動を与え、波の伝わる速度を測定していました。

測定するために必要な道具は、圧力ピストンと測定用のオシロスコープ以外はほとんど手作り。サンプルを圧力ピストンに固定するための壺は、旋盤をつかってテフロンで自作します。準備からデータの測定まで、実験に取り組んでいる時間は至福の時でした。

この高圧実験は、地球表層部の地下約10kmまでの構造を解析するための基礎データとなりました。でも、当時学生の私の力でできる実験はここまで。地球の中心までの深さ約6,400kmを再現することは、「たぶん私の生きている間ではムリ」とあっさりあきらめ、研究の道を離れてしまいました。

今回紹介する本は「世界でもっとも美しい10の科学実験」。ここでは科学史に残る有名な実験がどのように行われたかを解説してくれています。みなさんが理科の教科書でおなじみの法則も、とてもシンプルな疑問に基づいていたことがよくわかると思いますよ。



「世界でもっとも美しい10の科学実験」
(日経BP社、著者:ロバート・P・クリース 、翻訳:青木 薫、定価:2160円、ISBN:9784822282875)

2016.01.26 大学教育センター 藤井 恒人

お金で買える単位


単位パン、ご存知ですか?
試験期の学生が、験担ぎに買っていく人気のパンです。

単位はお金で買えませんが、
単位パンは100円+消費税で購入できます。

期間限定、しかも、関東甲信越地区の大学生協のみで購入できるそうです。
農工大生協でも販売中です。機会があればぜひ、食べてみてください!

2016.1.21 大学教育センター 時岡 寛子

ふたご座流星群ピーク


ふたご座流星群がピークを迎えています。

最新の天気予報(2015年12月14日午前11時、気象庁予報部発表)だと、東京は、今日14日から明日15日も曇りですね。ウェザーニュースだと、15日は午後から夜は晴れそうです!

今年は、流星群のピークのころ、月明かりがほとんどなくて、好条件だそうです。周りに光がなくて、郊外の空気が澄んだ所だと、うまくすれば1時間に40個も見られるとか。現れる方角は、ほぼ全天とのこと。もっと調べて、観測してみたいです。

明日の夜、空が晴れ渡ることを期待します!

国立天文台のサイトも参照。
http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2015/geminids.html
http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20151212-geminids/

国立天文台は三鷹にあるので、農工大からも近いですね。

2015.12.14 大学教育センター 尾崎 宏和

国際学会で発表してきました


アメリカ・ソルトレイクシティでの学会(Society of Environmental Toxicology and Chemistry、SETAC)に参加し、発表をしてきました。申し込みの段階ではまだ先のことと思っていましたが、月日が経つのは早いもので、準備段階ではちょっと慌てたというのも本音です。そして国際学会ですので、少々緊張して出かけました。

私は口頭発表でしたが、それらの成果もあったようで、有意義な時間を過ごしてきました。
学会の名称が示すように、環境化学と有害物質の生物毒性にフォーカスしている学会です。

水銀汚染とその毒性のほか、今度の高大連携教室の1テーマである微細プラスチック片による環境への悪影響など、発表分野は多岐にわたります。 私の知る限り、日本の学会よりもカジュアルだったという印象もあります。
口頭発表後のQuestions & Discussionは活発で、硬すぎない雰囲気が、お互いの考えを交えることを促しているように思えました。


ポスター発表の場合、発表者は「コアタイム」時間に自分の研究ポスターの前に立ち、来訪者の質問に答え、議論をしなくてはなりません。近年では、口頭発表より時間的拘束の少ないポスターの方が、より深い議論ができる点などで高レベルとも考えられています。日本の学会以上に、このコアタイム時間が長くとられていた点も、それを示すのかもしれません。

2015.11.20 大学教育センター 尾崎 宏和

農工祭 in 農学部、はじまりました!


本日11/13(金)、11/14(土)、11/15(日)の3日間、農工祭 in 農学部を開催いたします。
https://sites.google.com/site/tuatfes57/

普段、まじめに研究・授業に取り組んでいる農工大生の、
裏の顔(?)素の顔(?)をご覧いただけることと思います。

各研究室やサークルが出店している、模擬店やステージなどを楽しんでいただくのはもちろん、
受験生・高校生のみなさんに、有益な情報を提供できそうなイベントも盛りだくさんです。

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・受験生相談
農工大受験を経験したての1年生が、来場者の方の不安・悩み・ご質問等お受けいたします。
受験に関係ないことでもお気軽に!
https://sites.google.com/site/tuatfes57/home/advicefor

・キャンパスハイク
農工大生がキャンパスを案内します!農工大生の生息するキャンパスの中をこの機会に散策してみませんか?
大人向けと子供向けの2コースを用意しています。
https://sites.google.com/site/tuatfes57/home/camhi

・科学技術展
東京農工大学では、学生や受験生・地域の皆様に向けて、研究内容や研究成果などを発表する「東京農工大学科学技術展」を毎年開催しています。 今年は小金井キャンパスにて「JAXA タウンミーティング in 東京農工大学」が同時開催されます。一般の方もぜひお気軽にご来場ください。(今回の科学技術展には、IGS高大連携教室の活動報告と、次回の連携教室のお知らせを掲示しております。ぜひお立ち寄りください。)
https://sites.google.com/site/tuatfes57/home/kagiten

・研究室ツアー、などなど。

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明日・明後日は、雨の予報です。
あたたかくしてお越しください!

2015.11.13 大学教育センター 時岡 寛子

ブナの実を食べた

先日森の中を歩いていたら、ブナの実がたくさん落ちていました。
野生動物は今、冬眠の季節を前に、食料を貯めたりたくさん食べたりしている時期だと思います。


↑紅葉(ブナの実の写真は、、、ありません)

ブナの実のいちばん外側の殻は、突起のある鈴のような形をしています。これは割れているので、まずそれを開き、さらに三角錐状の殻に入った種が3~4個出てきます。そしてそれを爪で剥ぐと、淡い茶色の薄皮に包まれた、薄黄色の実が出てきます。小指の先よりもずっと小さいのですが、構造は、クリの実を思い出してもらえればわかると思います。

とても小さいので、集めてもたいした量にはなりませんでした。
ピーナッツのようで、なかなか美味しかったですよ。

後で調べたら、毒もなく高カロリーで、植物由来のデンプン、脂肪、タンパク質、ポリフェノール成分はドングリ同様に含まれる一方、ブナの実はタンニンが少ないので、苦味もアクも無く、そのままでも食べられるとのことでした。そんなことは考えず、森の中で「食べられそう」の感覚だけで、食べてしまっていました。

所詮人間も哺乳動物とあらためて感じた次第です。
人間も大昔は、ブナの実を食べていたのでしょうね。

2015.11.12 大学教育センター 尾崎 宏和

学会で発表してきました。

これまた少し前になりますが、京都と札幌の学会で発表をしてきました。
私の場合、6月は国内学会のシーズンです。それから、11月は、国際学会のシーズンという感じです。

今年6月の学会は、京都市・龍谷大学で開かれた日本環境学会と、札幌市・札幌コンベンションセンターで開かれた環境化学討論会です。それぞれ、福島県の河川における放射性セシウム汚染の季節変化に関すること、空港周辺で有害金属汚染が進行している可能性について発表してきました。

11月は、2015年はアメリカ・ソルトレークシティに行ってきます!

2002年に、冬のオリンピックが開かれたのは知っていますか?秋冬好きの私としては楽しみです。学会はSociety of Environmental Toxicology and Chemistry、通称SETAC(シータック)。こちらでの発表のためにも、研究を進めて、良い発表をすることはもちろん、高校生の皆さんが参加してくれる高大連携教室にも反映したいと思っています。

ちなみに去年はタイ・バンコクでのInternational Conference of Asian Environmental Chemistryでした。

ここまで読んで、少し察した高校生は鋭い!6月の北海道!? 秋の北米大陸!? 10~11月のタイも快適な季節です。学会は良い季節、楽しい場所で開かれることが少なくありません。そんなこともモチベーションにしつつ科学研究がんばっています(もちろん、それだけじゃないですよ)。高校生のみなさんも、大学に入ったら、ぜひ学会で発表してみてください。

2015.7.28 大学教育センター 尾崎 宏和

科学を担うには、科学だけじゃない?~科学のための想像力~

私は、環境汚染解析学・地圏環境汚染化学についての研究もしています。
先日、といっても少し前ですが・・・福島県二本松市を訪れました。

福島第一原子力発電所事故による放射性セシウム(137Cs)による環境汚染実態の継続調査のためです。今回の調査地は、原発事故に伴う汚染被害に今も苦しんでいます。でも当初から、避難地域レベルではありません。そのため、人々は事故後も続けてそこに住み、農業活動も継続されています。逆に言えば、生活が継続される地域として、汚染レベルは高い場所です。(写真①参照)

私たちは、地元の農家民宿に2泊お世話になりました。地産地消の野菜や米を使った食事に加え、採取した試料の整理に協力してくれたり、生産されたリンゴジュースをお土産にいただいたりと、本当に親切に、明るくもてなしてくれました。リンゴジュースは売り物のはずなのに、です。

そして僕たちは、いい調査ができた、楽しかったと帰りました。でも、後から気づきました。地元の方々はどれだけの苦悩を強いられているか。僕らを明るく見送ってくれた後、民宿の方々は何を感じているのでしょう。彼らは帰っていくけれど、私たちは・・・と。空しさ、現状への怒りを感じていらしても無理ないことです。

知識や技術を習得し、客観的で再現性のあるデータを得て、その考察にもとづき他の事例や将来の状況を検討することは科学として欠かせません。そして、得られた情報はどういう背景から生じ、何を示唆しているか、その情報は今後何をもたらしうるか。問題に直接かかわる人たちはどんな影響を受けているのか。直接でなくてもほとんどの人は間接的に関わりをもっているはず・・・。こういう視点が、「科学者」にとって大切じゃないかと、現地調査で痛感しました。

科学を担うためには、ちょっと科学からはずれた(?)想像力も求められる・・・ひょっとしたらそんなことが言えるのかもしれません。同時に、やっぱり科学って何だろう、どこからどこまでが科学なのかなと、堂々めぐりなこともまた考えているところです。


写真①:この排水溝では、以前、22800Bq/kgの137Cs、空間線量3.05μS/hが検出された。最新の実態を把握するため、新たに堆積物を採取する。今回の調査時における空間線量現場測定値は0.71μS/h。堆積物の137Cs放射能濃度は測定中。


写真②:排水溝は周囲からの汚染を濃縮するので高レベルとなりやすい。空間線量計で汚染の集積・濃縮レベルの見当をつけ、試料採取のめやすとする。


写真③:風景は、変わらず長閑な場所です。それが、目に見えない、将来起こりうる影響もわからない汚染に苦しんでいる。そんなことが二度とあってはならないと思います。

2015.7.24 大学教育センター 尾崎 宏和

読書のススメ(理系限定)2:「すごい実験 高校生に語る素粒子物理の最前線」

実験用の施設、設備を作るのに1,500億円、年間の電気代が50億円の実験装置って想像できますか?

この本は、そのJ-PARC(大強度陽子加速器施設)を使って行われている素粒子物理学の実験の話です。
と言っても身構える必要はありません。金髪、ロンゲでアイドル好きな物理学者、多田将(素粒子原子核研究所)准教授が、高校生向けの授業で話した内容をイラストでわかりやすく解説しています。

素粒子は高校の物理の教科書ではいちばん最後のほうに載っていて、大学入試ではあまり出題されないので詳しく勉強する機会が少ないかもしれません。物質をどんどん小さくしていって、分子→原子→原子核→陽子・中性子、そして現在確認できる最も小さな構成要素が-素粒子-クォークとされています。素粒子を詳しく研究することで宇宙の起源や、物質、生命の根源を調べることができます。

「物理学とは何か」「それが何の役にたつのか?」、世界最先端の大規模実験がどう行われていて、そこに携わる人がどんなことを考えているのか、理系の科学研究者を目指す高校生にお薦めの1冊です。

「すごい実験 高校生に語る素粒子物理の最前線」
(イースト・プレス、著者:多田将、イラスト:上路ナオ子、定価:1728円、ISBN:9784781606248)

 

2015.7.7 大学教育センター 藤井 恒人

読書のススメ(理系限定)

みなさんは本を読むのは好きですか?
これから高校生のみなさんが、ちょっとしたヒマを見つけて、肩ひじ張らずに読める本を紹介していきたいと思います。

最近“グローバル化”ばやりで、理系の大学入学試験でも英語のウェイトは高くなるばかり。科学に関する素材を扱った英語長文読解問題もよく出題されます。みなさんはこの対策、どうしてますか?
出題される素材文に使用される文献は海外の有名な科学雑誌が多いですよね。「Nature」、「Science」、「National Geographic」、「Scientific American」などが代表的なものでしょうか。でもこういう雑誌を入手して読むのは手間も費用も負担になります。

そこで今回紹介するのは「英語対訳で読む科学の疑問」(じっぴコンパクト新書:実業之日本社)。
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-10834-6

この本は科学の様々な分野の素朴な疑問に、平易な英文で回答する形式をとっています。科学で使われる基本的な英単語を知ることができ、科学特有の現象が英文でどう表現されるかを学ぶこともできます。対訳付きなので、間違った解釈をすることもありません。科学が好きな人には、知っているようで説明することが難しいテーマばかりで、その点でも興味をもって読める本になっています。
英語の受験対策をしながら、科学に対する興味も広げてみませんか。

2015.6.12 大学教育センター 藤井恒人

生きたリトマス試験紙

梅雨入り間近です。 学内を彩る花々は、つつじから紫陽花へバトンタッチしています。
昨日は一日雨でしたが、今日はほんとうにいいお天気です。お昼休みに、カメラ片手に学内をお散歩してきました。事務所のある建物からは少し離れるのですが、 紫陽花のたくさん咲く場所を見つけました。

↑こちらは ガクアジサイです。白く花びらに見える部分は、花ではなく「萼(ガク)」です。

↑手まり咲きの紫陽花もきれいです。紫陽花って花火みたいですね。

ここをご覧いただいている高校生のみなさんはご存知かもしれませんが、紫陽花の花の色は、土のpHによって変わります。一般的に、酸性の場合は青、アルカリ性の場合は赤になるそうですが、土壌のpHに影響されない種類もあったりして、まだまだ完全には解明されていないそうです。 日本は土壌が酸性なので、青い紫陽花が一般的ですが、アルカリ性土壌の多い国ではピンク色が一般的。紫陽花はまるで、生きたリトマス試験紙です。

2015.6.4 大学教育センター 時岡寛子

農工大農場には“秋”が来ています。

5月連休も終わり、農工大の学生も、新年度の活動が板についてきたように思います。 キャンパスの木々の緑もだんぜん濃くなりました。農工大のメイン施設のひとつ農場も、この季節ならではの景色が見られます。もうすぐ麦秋です。

9月終わりごろの季節が、私はいちばん好きなのですが、麦を見ると、それも秋だな、と思います。これらの小麦の一部は、農工大クッキーの原料にもなっています。

こちらは季節が戻り、ジャガイモです。収穫まではあと1ヶ月と少しでしょうか。

こちらは茶畑の一部。近年のチャ栽培は、化学肥料を多く使います。化学肥料の土壌への影響、温室効果ガス放出への影響なども研究されます。農場は、農産物の生産・栽培方法の試験や農作業実習に使われるのはもちろんのこと、土壌調査、気象観測、試料採取法の科学実験実習などにも使われます。農工大でもたいせつな科学の場となっています。

不定期ではありますが、農工大の様子やできごと、科学のことなどをお伝えできればと思います。

2015.5.20 大学教育センター 尾崎宏和

IGSプログラムスタートします!

理科・数学好きの高校生へ、高校の学習は大切な基礎です。それを大学で深め、社会で応用することが求められています。『高大連携教室』での学びが、皆さんの大学への深い学びのきっかけになることを望んでいます。ぜひ農工大で開かれるこの教室に参加して、大学の生の現場を体験し、いっそうの飛躍につなげてください。

大学教育センター 副センター長 佐藤友久